「酸湯子」という現地の発酵麺料理(イメージ:ネット写真)

 近日、黒龍江省で食中毒事件が発生した。ある家庭の集まりで、9人が「酸湯子」という現地の発酵麺料理を食べてから症状が現れ、8人死亡、1人重体という大惨事になった。

 中国メディアによると、10月5日朝、黒龍江省鶏西市鶏東県の李さん家族12人が食事していた。家族の年配者9人は「酸湯子」を食べたが、3人の若者は味が好みではないために食べなかった。昼ごろ、「酸湯子」を食べた9人は相次いで具合が悪くなり、病院に搬送された。現在、8人が死亡し、1人が危篤状態であるという。

 これは現地で初めての「酸湯子」中毒事件ではない。2015年にも似たような事件が起こり、母子4人が亡くなった。当時、食べ物検査をしたところ、砒素より20倍もの毒性があったことがわかった。

 「酸湯子」は東北地区で流行っており、トウモロコシの粉を発酵させて太い麺の形にした食べ物だ。調査によると、今回の食中毒に至った「酸湯子」の食材は当該家庭の手作りで、冷凍庫に1年近く冷凍保存されていたことが判明した。

 また、黒龍江省衛生健康委員食品部によると、汚染されたシュードモナス属の細菌から発生したボンクレキン酸による食中毒事件だ初歩的に確定された。

 食べ物を調理する過程で、食品に付着するシュードモナス属の細菌からボンクレキン酸が産生することがある。ボンクレキン酸は毒性が強く、熱にも強いため、100度のお湯で沸かしてあるいは高圧鍋で蒸してもその毒性を消滅できない。一旦人体に取り込まれると中毒になり、肝臓、腎臓、心臓や脳などの重要器官に深刻なダメージを与える。現在ボンクレキン酸は特効薬がなく、いったん中毒すると、死亡率は40パーセントから100パーセントに達する。

(翻訳・北条)