近年、中国では都市の景観や秩序を管理する都市管理局の職員「城管」と、路上で細々と商いをする露天商との間のトラブルが頻繁に報じられ、社会的な関心を集めています。
ごく最近の出来事は、今年の5月に起きました。10人以上の職員が1人の露天商を取り囲んで暴行を加える」という動画がSNS上で拡散され、目を疑うような現場の状況が明らかになったのです。雲南省大理市の、衣料品の屋台が立ち並ぶ通りで、青い制服を着た十数人の職員が白い服を着た男性を取り囲み、激しい暴行を加えました。映像には、男性の頭部を足で蹴ったり、拳で殴りつけたりする様子が記録されています。陳列棚はなぎ倒され、現場は惨憺たる状況でした。この騒動は、地元で毎年開催される「三月街」という大規模な民俗行事の直後に起きたとされています。これほど明白な暴力行為の映像が存在するにもかかわらず、地元行政の担当者は当初、「露天商側が先に手を出した」と弁明しました。さらに、多勢に無勢の状況での暴行を「清掃活動」や「秩序の維持」のためであったと説明したのです。
この責任逃れとも取れる説明は、瞬く間にネットユーザーの怒りに火をつけました。多くのユーザーが「10人がかりで人を袋叩きにし、頭を蹴ることが『秩序の維持』なのか」と厳しく批判しました。高まる世論の批判を受け、6月3日になって大理市政府は事態の経緯に関する声明を発表しました。それによれば、事件は5月20日に発生し、行政の取り締まり部隊が道路を不法占拠している屋台の撤去を行っていた際、一部の露天商側と「物理的な衝突」が生じたとのことでした。最終的に当局が下した処分は、いわゆる「喧嘩両成敗」に近いものでした。暴行に関与した職員4名に行政拘留と罰金が科された一方で、当事者である露天商側の3名も同様に行政拘留処分となったのです。世間はこの結果に強い不満を示し、「明らかに事実を捻じ曲げている」と失望の声が上がりました。大理市におけるこのような強圧的な取り締まりの土壌は根深く、2017年10月にも、規定のスペースをはみ出して出店していた露天商に対して数十人の管理職員が集団で暴行を加え負傷させるという事件が起きています。
一般の露天商に対する粗暴な振る舞いが憤りを覚えるものだとすれば、社会的に弱い立場にある人々への締め付けは、より一層の痛ましさを感じさせます。大理での事件が起きる前の4月下旬、広東省深圳市内の路上でも同様の光景が見られました。ネット上に出回った動画には、路上で歌を歌っていた障害のある人達が、管理職員や私服警官らから理不尽にパフォーマンスを妨害され、暴力を振るわれたと涙ながらに訴える様子が映っていました。周囲にいた多くの市民が厳しい目を向ける中、数十人もの職員らは自分たちの行動が問題視されていることを察知し、当事者への威圧はやめたものの、今度は現場で動画を撮影していた市民に対して威嚇を始めたのです。インターネット上には以前から、管理職員が路上で露天商や大道芸人を追い立てたり、時には暴行を加えたりする映像が多数流出しています。こうした立場の弱い人々を窮地に追い込むようなやり方に対しては、「人道的な配慮に欠けている」と厳しい批判が相次いでいます。
個人の生活の糧が、粗暴な形で長期にわたり奪われ続け、人々の無力感は最終的に激しい集団的な反発へと変わっていきました。さらに昨年の秋に遡ると、河南省商丘市で発生した大規模な衝突は、極めて深刻な事態でした。2025年10月27日の夜、商丘市内にある大規模な夜市で、露天商と管理職員との間で激しい衝突が勃発しました。事の発端は、地元政府が「大気汚染対策」を理由に、この夜市に対して100日間にも及ぶ「一律の営業停止」という強硬な措置をとったことでした。同年9月以降、営業停止の対象範囲は徐々に拡大され、何百、何千という屋台が完全に生活の糧を失うこととなりました。最低限の生活すら維持できなくなる中、一部の露天商は生きるために自発的に営業を再開せざるを得ない状況に追い込まれました。
そして27日の夜、管理職員が再び強制的な手段を用いて営業を再開したある屋台を排除しようとしたことが引き金となりました。長期間にわたり抑え込まれていた露天商側の不満が一気に爆発し、集団的な抗議行動へと発展したのです。現場にいた人々の証言によれば、衝突の現場は極めて混乱し、多数の負傷者が出て、救急車が8台も駆けつける事態になったといいます。深夜まで続いたこの騒動は、多くの市民の注目を集めることとなりました。
大理市での暴行事件、深圳市での障害のある人達への威圧行為、そして商丘市での強硬な措置により生計が立ち行かなくなったことによる大規模な衝突。異なる時期、異なる場所で起きたこれら3つの出来事は、形こそ違えど、その根底には、管理者側が路上で生活の糧を得る人々を軽視し、過度に制限しているという実態があるように見受けられます。
(翻訳・吉原木子)
