5月27日午後、広東省深圳市内の「南坪快速道路」で多重交通事故が発生し、大規模な火災に発展しました。現場では黒煙が立ち込め、道路の防音壁が瞬く間に炎に飲み込まれました。現地の報道によりますと、事故現場は南坪快速道路の西行き、沙河西路寄りのトンネル出口付近です。南山区や龍華区などを結ぶ深圳の東西交通の大動脈であり、当時は夕方の帰宅ラッシュと重なっていたため、周辺の道路では車が長蛇の列を作りました。空は大量の黒煙に覆われ、周囲には凄惨な光景が広がっていました。SNSなどで拡散されている動画によりますと、火災発生前に現場では多重衝突事故が起きており、タンクローリーと路線バスが衝突して右側の2車線に停車し、さらに車体を損傷した乗用車が左側車線を塞ぐように横付けされていました。

 この痛ましい火災に対し、深圳市交通警察はその後、「同日午後4時半ごろ、当該道路で3台の車が絡む接触事故が発生し、そのうち1台が炎上して道路の防音壁に燃え移った」と発表しました。同時に「現場に負傷者や逃げ遅れた人はいない」とし、火はまもなく消し止められたと報告しています。しかし、この「死傷者ゼロ」という公式発表は、ネット上に流れる目撃者などの情報と大きな食い違いを見せています。事故当日の夜、海外のSNSプラットフォームで発信された情報によりますと、事故を起こした運転手は中国メーカーのEV(電気自動車)を運転しており、車内に爆発物、あるいは引火性の高い危険物を積んでいた疑いがあるとのことです。他の車両に衝突して炎上した後、二次爆発を引き起こし、現場で6人が死亡、20人以上が負傷したとされており、当局が意図的に被害の規模を隠蔽しているのではないかと非難する声が相次ぎました。

 このような公式発表と現場情報の間の大きな食い違いは、ネット上でも強い疑問と憤りを引き起こしています。多くの人々が当局の姿勢を批判しており、「真相は隠蔽されたとしても、被害に遭われた方々の悲しみは消えない」「隠された惨劇の事実が少しでも広く知られてほしい」といった声が数多く寄せられました。さらに一部のネットユーザーは、最近中国各地で頻発している火災について、社会への報復を目的とした意図的な放火事件が含まれているのではないかと指摘しています。経済的な苦境や生活苦により、精神的に追い詰められた人々が存在していることが背景にあるのではないかとの見方も広がっています。

 こうした人々の懸念は決して根拠のないものではありません。実際、今年5月に入ってからだけでも、中国の複数の地域で重大な火災が立て続けに発生しています。さらに、公式発表と現場の目撃情報との間に著しい乖離が見られるケースが少なくありません。深圳の大火災が発生する数日前の5月23日夕方には、江蘇省蘇州市常熟市にある日用品メーカーの大型倉庫で大規模な火災が突発しました。ネット上の動画では、現場の火の手は極めて猛烈で広範囲に及び、炎が帯状に広がって数十メートルの高さまで燃え上がっている様子が確認できます。近くの水面は赤く染まり、濃い煙が空高く立ち上っていました。

 同様に衝撃を与えたのが、5月13日に発生した山西省運城市のホテル火災です。当日午後4時40分ごろ、宴会場のある3階から激しい炎が上がり、ホテルの一部が炎に包まれ、黒煙がもうもうと立ち上る恐ろしい光景が映像に残されています。地元消防当局は迅速に「死傷者は出ていない」と発表しましたが、ネット上には全く異なる内情が拡散されました。匿名の情報提供によりますと、出火原因はホテル内に軟禁されていた陳情者(地方政府への不満を上級機関に訴えようとする市民)が、絶望のあまり焼身自殺を図って放火した疑いがあり、死亡者8人、負傷者23人が出たとの情報が広がりました。当局は直ちにこれをデマだと否定したものの、人々の疑念を完全に払拭するには至っていません。

 それ以前の5月7日深夜にも、重慶市璧山区にある施設で火災が発生しています。地元消防当局の発表によりますと、7日午後11時40分すぎに火災が発生し、翌日未明には鎮火したとされています。この報告でも同じく「火災現場での死傷者はいない」と強調されていました。しかし、目撃者が現地メディアに語った状況は非常に深刻なものでした。関係者によりますと、出火した建物は上層階が工場、下層階がネットカフェやスーパーマーケットになっており、建物全体がほぼ全焼したといいます。火災当時は必死に助けを求める声が聞こえただけでなく、人が現場から運び出されるのを見たという証言もあります。さらにネット上の情報では、これも社会への不満からくる悪質な放火事件の疑いがあり、現場では多数の死傷者が出たとされています。これらのネット上の情報が当局によって公式に認められる可能性は低いものの、次々と起こる悲惨な火災、判で押したような「死傷者ゼロ」の発表、そして絶えず噴出する深刻な被害情報は、社会全体の不安を煽り、隠された真実を求める声をより一層強める結果となっています。