中国の旧正月連休が終盤を迎えた2月23日、全国各地でUターンラッシュがピークに達し、深刻な大渋滞が発生しました。多くの区間で車が動かない状態となり、ネット上では「巨大な駐車場」と皮肉られています。本来なら10時間程度の道のりに20時間から30時間以上もかかったという不満が続出し、SNSの動画には、数珠つなぎの車列の中から車外に出てストレッチをしたり、路肩で休んだりする人々の姿が映っています。「皆が混雑を避けようとした結果、結局同じ渋滞に巻き込まれた」と嘆く声も多く聞かれます。
このように心身ともに疲れ果てるUターンラッシュの光景は、多くの家族にとって避けられない厳しい現実となっています。なんとか混雑を避け、高速道路の無料開放期間が終わる前に自宅に着こうと工夫を凝らしたものの、結局は大渋滞を回避することはできませんでした。蘇州へ帰る艾さんは、午前3時に湖北省を出発しましたが、断続的な渋滞に巻き込まれました。一度渋滞すると数時間は身動きが取れず、到着までに20時間以上もかかったそうです。また、江西省上饒市の謝さん一家は、湖南省常徳市から戻る途中、数キロの列ができているサービスエリアに立ち寄ることを諦め、最終的には高速を降りて宿泊先を探さざるを得ませんでした。
電気自動車のオーナーたちも厳しい試練に直面しています。湖南省から広東省へ向かう区間では、サービスエリアの充電スタンドが混雑して4時間以上も待たされたという報告もありました。バッテリーの消費を抑えるために仕方なくエアコンを切り、車内で寒さを耐え忍んだ人もいたほどです。
長時間の立ち往生は、ドライバーによる交通ルールの違反をも引き起こし、ただでさえ混雑している道路状況をさらに悪化させています。2月22日以降、深刻な渋滞が続く湖南省内の複数の高速道路では、少しでも早く進もうとした一部のドライバーが、違反と知りながら路肩の緊急車両用車線を走行しました。これに対し、ある車の助手席に座っていた女性が、わずか30分の間に緊急車両用車線を違法走行する20台以上の車を次々と写真に収め、警察に通報するという出来事がありました。この一件はネット上でも大きな話題となり、帰路を急ぐドライバーの焦りと交通ルールの軽視を浮き彫りにしています。
専門家は、こうした連休の度に繰り返される大渋滞は偶然に起きることではなく、構造的な問題であると指摘しています。近年、自家用車の保有台数は増加の一途をたどっていますが、主要な高速道路の拡張ペースはそれに追いついていません。そこに連休中の高速道路無料化措置と、一斉に帰省先から戻るという避けられない需要が重なり、短期間に交通量が著しく集中してしまうのです。
一部の地域では、雨や気温低下による路面の凍結やスリップといった悪条件も重なり、追突や接触などの軽微な事故が頻発しています。さらに、各社ナビゲーションアプリの案内ルートが似通っているため、大量の車が同じ経路に誘導されてしまうことも、一部区間の渋滞をさらに悪化させる要因となっています。
長時間車内で足止めされることは、イライラや疲労を募らせるだけでなく、命に関わる深刻な健康リスクも潜んでいます。23日の深夜、浙江省にある杭州市中医院の救急外来に、長時間の渋滞が原因で突然重い症状を発症した中年の女性2人が立て続けに運び込まれました。2人とも極めて危険な急性肺塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群と診断されました。
60代の王さんは、本来なら4、5時間で着く道のりが、渋滞のため約10時間もかかってしまいました。移動中、彼女は車から降りて体を動かすことがほとんどなく、水分もあまり摂っていませんでした。目的地に到着し、車を降りて背伸びをした直後、突然の胸の痛みと呼吸困難に襲われ、そのまま倒れ込んで意識不明に陥りました。
同年代のもう一人の女性である李さんも、19時間にも及ぶ渋滞に巻き込まれ、自宅に着いて車から降りて体を動かした途端に同じように倒れ、一時心肺停止の状態に陥りました。2人は緊急搬送され、現在はともに集中治療室で治療を受けています。
同病院の医師は、長時間座ったままで水分が不足すると、足の静脈に血栓ができやすくなると指摘します。これが肺の血管に詰まると、致命的な肺塞栓症を引き起こす恐れがあります。医師は、1、2時間ごとに足を動かしたり、可能なら車から降りて5分ほど歩くなど血液循環を促すよう呼びかけています。また、1時間ごとに約100から150ミリリットルの水分補給も大切です。初期症状は自覚しにくいため、突然の胸の痛みや息苦しさ、片足の腫れなどが現れた場合は、手遅れになる前に直ちに医療機関を受診するよう注意を促しています。
(翻訳・吉原木子)
