最近、広東省の交通警察がドローンを使い、空から電動バイクの運転者を追跡して摘発する動画がネットで広まり、世論の注目を集めています。動画では、広東省のある都市の道路で、ドローンが低空で旋回しながら電動バイクを継続的に追い撮りし、地上の警察がその情報をもとに取り締まりを完了する様子が映っています。撮影者によると、ドローンは複雑な道路状況でも常に対象を捉え続け、追跡の精度は安定していたといいます。

 動画が話題になると、コメント欄は一気に荒れました。論点は「ドローンは本来、何に使うべきなのか」です。疑問の声は次第に強まり、火災現場の救助や行方不明者の捜索といった公共の場面と比べて、皮肉を込めた書き込みが次々と投稿されました。
「ドローンは電動バイクの追跡撮影に使われるが、火災や行方不明者の捜索に使われることはほとんどない。技術が誰のためにあるかは一目瞭然だ」
「行方不明の子どもを探す時には使わず、汚職捜査にも使わず、電動バイクの取り締まりには即座に飛び立つ」

 中国の複数の都市では、重要な道路沿いにドローンの発着拠点を設置し、違反車両の監視に活用しています。

 ティックトックのブロガー「上善若水」は2025年5月の動画で、次のように話しました。「以前は、ほかの「被害者」がドローンに追跡されたという動画を見ても、正直そこまで信じていなかった。しかし自分が何度も実際に経験して、初めて本当だと分かった。今日もドローンに追われた。幸い、急にルートを変えたら追跡を振り切れた。以前は岩庄村(がんそうそん)の東口にある売店、つまり幹線道路の西側の売店の前に、いつも車を停めて待ち構えている。自分がその場所を通るたびに、相手の車はすでに先に止まっていて待っている。電動バイクでその横を通り過ぎ、数十メートル先に行ってから、ようやく相手は動き出して立ち去るのだ」

 別のブロガー「岁月静好」は2025年9月の動画で、こう語りました。「あのドローンはいったい何のつもりなのか。家の前に連続で2回来た。自分が外に出ると写真を撮る。最初はスマホを持っていなかったので、ドローンは玄関先でしばらく止まってから去った。しかし数分後にまた戻ってきた。今度は自分がスマホで撮ろうとすると、ドローンは逃げるように避けた。家の中で刺しゅうをしていただけなのに、外に出なければ家の中まで入ってくるかもしれない。とても不安になった」

 もう1人の女性ブロガーは動画でこう訴えています。「ドローンは誰も取り締まらないのか。深夜に団地の敷地内をうろつき、じっと見つめていたら、向こうも私を見返してくるように感じた。考えれば考えるほど怖い」

 ここ数年、中国ではドローンシステムが公安、交通警察、そして都市管理部門に広く導入され、交通の巡回、違反の証拠収集、都市の管理などに使われてきました。その一方で、民間のドローン利用に対する規制は締め付けが強まっています。公開情報によれば、中国では無人航空機に対して空域区分管理を実施しており、都市空域内では一般ユーザーは厳格な高度制限と審査・届出手続きを遵守する必要があります。過去には、自宅で試しにドローンを飛ばしただけで、警察が家まで来て注意されたと訴える人もいました。

 中国の公式側でも、ドローンによる巡回が実際に公然と宣伝されています。湖南省醴陵市(れいりょうし)のメディアセンターは、次のように報じました。「醴陵市の浦口鎮(ほこうちん)は、ドローンの熱画像技術を使い、夜8時から翌日の午前3時まで、管轄区域の山間部の村で夜間の違法行為の取り締まりバトロールを実施。地上の状況は熱画像ではっきり見えるという内容だ」

 浦口鎮の党委書記で政法委員でもある肖祥早(しょうしょうそう)氏は、公式インタビューでこう語りました。「仮に人が一軒一軒、家ごとに確認して回るとなると、いまの人員では足りないことが多い。ドローンの熱画像を使えば、十数平方キロの範囲ならおよそ1時間で一通り確認できる。さらに地上で人員を配置して検問を行えば、違法生産の取り締まりは非常に効率が高い」

 広東省のネットユーザー、尹さんは13日、大紀元の取材に対し、地元警察が最近頻繁にドローンを用いたパロトール取締りを行っていると語りました。「当局は毎日ハイテクが生活を変えると言いながら、変わっているのは一般市民の管理方法だけだ。民間でのドローン使用は高度制限や許可の手続きが厳しい一方で、本来なら救助にもっと活用されるべき技術が、日常的な取り締まりに優先して投入されている。技術が監視ツールになってしまえば、誰が技術の進歩で暮らしが良くなると期待できるだろうか」と指摘しました。

 尹さんはまた、「警察が単一の対象を長時間にわたり、しかも安定して空から追跡できていること自体、関連技術がすでにかなり成熟している証拠だ。しかし、その技術が日常的な管理や取り締まりに継続的に使われ、公共の救助にはほとんど回っていない。技術の使い道における優先順位そのものを反映している」と指摘します。

 浙江省の研究者である祝さんは、技術をめぐるルールは、たいてい「主な使用場面」を中心に作られるが、現在の統治構造の下では、技術はまず政治的な優先順位に従うと指摘します。「技術が治安維持と管理可能性の目標に従わなければならない時、それが奉仕する先は公共の利益ではなく、統治の都合になる。どれほど先端の技術でも、社会を管理する手段が別の形に置き換わるだけだ」

 祝さんは、ドローンの高度制限や審査自体に問題はなく、異なる用途の優先順位設定が鍵だと指摘します。社会の統制を中心目標に据える体制では、技術は個人の要望に応えるためよりも、個人の行動を縛るために優先して使われやすいです。こうした使い方の差は、長く続くほど積み重なり、最後は人々の目に見える形の、強い不安感へと変わっていきます。

 技術そのものに善悪はありません。問題は、それがa最優先でどこに使われるかです。人々が繰り返し目にするのが、ドローンが走行者を追い撮りする場面、夜間パトロール、上空からの監視である一方、火災現場や行方不明者の捜索で姿を見ることが少ないなら、技術がどんな価値観を背負わされているのかは、言わなくても伝わってきます。ネットユーザーの指摘通り「恐ろしいのは技術そのものではなく、その技術が何に使われるかだ」という現実を、人々は痛感しています。

(翻訳・藍彧)