1月19日の早朝、安徽省亳州市の市民がドアを開けたとき、耳に入ってきたのは、雪がしんしんと降り積もる音ではありませんでした。聞こえてきたのは、細かく急ぎ立てるような「パラパラ」という乾いた音だったのです。

 空から舞い落ちてきたのは、軽やかな雪片でもなければ、荒々しい雹でもありません。それは硬く白い粒でした。歩行者のダウンジャケットに当たって溶けることなく、弾け飛び、地面に落ちては音を立てて転がります。現地の気象台は、これを「霰」だと解説しました。現地では「雪子(シュエズ)」や「雪米(シュエミー)」という愛称で呼ばれていますが、上空の水蒸気が冷やされて凝結したこの小さな氷の粒は、往々にして暴風雪の前ぶれとなるものです。

 まさにこの急ぎ立てるような音こそが、2026年最初の豪雨や豪雪・寒波の扉を正式に叩いた音でした。「不意を突かれた。」これが、ここ二日間の中・東部地域の人々から最も頻繁に聞かれた言葉です。「霰」に続いて、中央気象台による異例の「三tつの警報」が同時発令されました。寒波注意報(黄色警報)、着氷注意報(黄色警報)、暴雪情報(青色警報)が同時に鳴り響いたのです。

 この大きな気候変動は、人間の体調にも影響を及ぼすものです。今回の寒波の最大の特徴は、その「速さ」と「激しさ」にあります。河南省や江蘇省北部の一部地域では、気温が、突然、急降下を見せました。観測によると、多くの地域で1日で、気温が15℃以上下がり、局地的には20℃近く降下した場所もありました。さらに風力7~9級の身を切るような北風が加わり、体感温度の低下は著しく、実際の気温よりもはるかに寒く感じられます。街角では多くの市民がマフラーをきつく巻き、足早に行き交い、フードデリバリーの配達員からは「風がナイフのように襟元に吹き込み、膝が痛むほど冷たい」という切実な声も聞かれました。

 この劇的な気温低下に対し、気象専門家は、「これは、例年の寒波ではなく、昨年の冬入り以来、中・東部地域が直面する最強の雨・雪・着氷の試練である。」と指摘しました。今回の寒波の恐ろしさはその「複雑さ」にあります。特に秦嶺・淮河ライン以南では、空模様が雨、雪、そして「雨氷」へと目まぐるしく変化します。

 気象専門家は、「1ミリの降雪なら大したことはなく、地面に落ちれば溶けます。しかし、1ミリの雨氷(凍雨)は極めて強い災害リスクをはらんでいます」と警告を発しています。それは、気温が0℃以下でも凍らずに、液体のまま存在する水の粒は、地面や物体に触れた瞬間に凝固して氷となります。そして、重くのしかかる「透明な鎧」を形成してしまうからです。その危険性はすでに現実のものとなっています。電力線はその重みに耐えきれず、樹木は氷柱に圧迫されて曲がり、あるいは折れてしまっています。本来黒かったアスファルトの路面は薄い氷の層に覆われ、光を反射する「スケートリンク」と化しました。救急外来では路面の凍結による転倒・怪我の搬送が明らかに増加し、高速道路では多くの交通管理部門が特大橋梁や傾斜路 の一時閉鎖を余儀なくされました。車の列はノロノロ運転を強いられています。

 この事態を受け、各地の教育機関も対応に追われました。河南省、江蘇省、安徽省の各地では、相次いで「休校指示」が出されています。

 河南省の周口市、駐馬店市は緊急通知を出し、19日は全市の小中学校および幼稚園を終日休校としました。河南省漯河市では休校範囲をすべての中等職業学校、高校にまで拡大し、一切の対面授業を停止しています。江蘇省徐州市では、これから到来する大雪から暴雪、そして5日間に及ぶ深刻な凍結を見越し、小中学校を2日間連続休校とする指示が出されました。安徽省の阜陽市もこれに続き、休校指示が出されています。黄河のほとりから淮河の両岸に至るまで、キャンパスは風雪の中で静寂に包まれていました。保護者のチャットグループでは、子供の学業に対する焦りも見られましたが、それ以上に、この極端な天候下での子供の安全に対する安堵感に包まれました。

 今この時も、寒波襲来は続いています。予測によれば、1月21日の朝までに強い寒気は一気に南下し、貴州省から江南南部一帯にまで達する見込みです。新疆ウイグル自治区や内モンゴルの暴風、江淮(長江・淮河間)地域の雨氷、江南地域の湿った寒さ……この北から南へと続く「氷雪の洗礼」は、都市運営の知恵と、一人ひとりの防寒への厳重な備えを必要としています。気温が急降下するこの期間において、防寒・保温は、今後数日間を生活していくための「必須条件」となっているのです。

(翻訳・吉原木子)