中国の通信大手による組織的なユーザー搾取疑惑が、今ネット上で大きな波紋を呼んでいます。上海から河南省に至るまで、システムの裏での不正操作から現場での詐欺的な営業行為まで、数名の従業員による実名告発をきっかけに、巨大企業の隠された「闇の収益構造」が徐々にその全貌を現し始めました。
事の発端は1月7日でした。ネット上に一本の衝撃的な実名告発動画が投稿されたのです。動画には、中国移動の作業服に身を包み、胸に社員証をつけた3人の若い男性が、身分証明書を手に神妙な面持ちで並んでいました。そのうちの一人、帽子を被っていない男性がカメラに向かって、信じがたい業界の腐敗を暴露しました。彼らのような現場の設置・保守担当者が、会社側からユーザーを搾取するための「道具」として利用されているというのです。告発者によると、上海モバイルの社内では、月額利用料が約1000円(50元)程度のユーザーを「低ランク(金にならない層)」と見なし、冷遇しているといいます。さらに、こうした層から少しでも利益を絞り取るため、会社は「担当者が裏で操作したり、訪問時にわざとユーザーの回線を切断したりする」という過酷なノルマを課していたのです。
突然のネット遮断に困り果てたユーザーが修理を依頼した瞬間、それが会社によって仕組まれた「ビジネスチャンス」へと変わります。担当者は修理という名目で訪問し、その混乱に乗じて様々な有料オプションへの加入を誘導するよう指示されていたのです。告発者は憤りを隠せない様子で、こう訴えました。「もし良心に背くこの業務を拒否すれば、解雇や人事評価の減点、あるいは罰金などの処分が待っています。多くの家庭で突然ネットが切れるのは、実は我々が会社に強制されて切っているからなのです」
この告発が拡散されると、1月8日にはSNSの「X」で、内情を知る人物からさらなる詳細が暴露されました。この「ネット遮断による収益工作」は、すでに手口がマニュアル化されており、さらに悪質な詐欺行為へと発展しているというのです。その手口は極めて計画的です。 まず、運営側が強制的に回線を停止させ、ユーザーに修理依頼をさせます。そして担当者が訪問した際、「ルーターが故障しており、修理不能です」と嘘をつき、新しい機器を購入させます。しかし実際には、ユーザーのルーターは壊れておらず、そのまま回収されます。さらに驚くべきことに、回収された「故障品」とされる正常な機器は、次に別の何も知らない家庭に設置され、使い回されているというのです。「商品を売りつけた上に、現物まで奪い取る」という、まさに骨の髄までしゃぶり尽くすような手口に対し、中国のネットユーザーからは怒りの声が噴出しています。「情報の格差と独占的地位を悪用したこの手口は、ミャンマー北部を拠点とする振り込め詐欺グループと本質的に変わらない」という厳しい指摘も相次ぎました。
2023年11月、河南聯通でも同様のスキャンダルが発覚しています。当時、現地のテレビ局の報道により、同社が光モデム(ONU)を売りつけるために、まず運営側でユーザーのブロードバンドアカウントを停止させていたことが明らかになりました。その後、エンジニアが訪問して「モデムが故障している」と芝居を打ち、約6000円(299元)で新品への交換を強要。支払いが完了すると、裏で即座にネットを復旧させるという手口です。解雇された元エンジニアは、「機器は壊れていないのに、どうやって交換しろと言うのか」と悲痛な叫びを上げていました。彼は「毎月10台のモデム交換」という詐欺的なノルマを達成できずに解雇されたというのです。さらに悪質なことに、会社は裏でユーザーのSMS機能を停止し、勝手に有料のオプションを追加してから機能を復旧させるなどの手口で利益を得ていました。新規ユーザーに設置される機器でさえ、前のユーザーから回収した中古品であることが多く、しばらく使用させた後に「型が古い」と言いがかりをつけて、再び新品を買わせるという二重の搾取が行われていたのです。
上海モバイルの告発事件は、中国の三大国有通信キャリアが隠してきた恥部の一角を剥ぎ取ったに過ぎないのかもしれません。議論が深まるにつれ、全国各地のネットユーザーや元従業員が次々と声を上げ、業界全体の腐敗した実態がパズルのように組み合わさっていきました。 山東省でチャイナ・モバイルに9年間勤務していたという元従業員は、これは10年前から常態化していたと明かします。「私たちは毎日残業して、こっそりとユーザーに70円(3元)、100円(5元)、180円(8元)といった少額の有料オプションを追加していました。ユーザーに通知メールが届かない専用のアカウントを使って操作するため、本人に知られることはありません。一人で一晩に500から1000件もの番号を操作していました」。
公開資料によると、中国移動、中国聯通、中国電信はいずれも政府の監督下にある巨大な国有企業であり、国の通信インフラを支える重責を担っています。しかし、こうした巨大企業は「売上ノルマ」を一般ユーザー、特に利用額の少ない人々を、好き勝手に搾取できる「獲物」と見なしています。今や、「命をかけて」告発したあの動画はネット上から消え去り、真相は闇の中へと葬られようとしています。しかし、カメラの前に立った3人の若者たち、そして深夜に突然ネットを遮断された無数のユーザーたちが抱いた疑念は、そう簡単に消えることはないでしょう。
(翻訳・吉原木子)
