毎日髪を洗うことは髪に良い.
(pxhere, CC0 パブリックドメイン)

 髪を清潔に保つために毎日髪を洗う人もいれば、頻繁に洗うと髪が乾燥したり抜け毛になったりするのではないかと心配する人もいます。毎日髪を洗うことは髪にとって良いのでしょうか、それとも良くないのでしょうか?髪質に合わせてシャンプーの頻度を調整するには?
 この記事では、専門家の意見に基づいた回答をご紹介します。

丸一日髪を洗わないとどうなる?

 頭皮には1平方センチメートルあたり144~192個の皮脂腺があり、絶えず皮脂を分泌しています。シャンプー後約4時間で皮脂が髪を再び覆い、光沢と弾力を与えます。皮脂は頭皮の乾燥を防ぎ、水分の流失を遅らせ、ほこりや病原菌をブロックする働きがあると言われます。もし、一日髪を洗わなければ、以下の物質が溜まってしまう可能性があります。

1.フケ:フケは頭皮の角質層が剥がれることで発生します。
2.微生物:細菌、真菌、ダニなどは汗、脂、ケラチン(角質)を餌としており、正常な状態では無害です。
3.ホコリ:環境によっては微量のホコリが付着する場合があります。

髪を洗う頻度

 髪が汚れていたり、脂っぽくなってきたら、髪を洗う必要があります。脂の出る状態は次のような要因によって影響を受けます。
1.体質:脂性肌の人は髪が脂っぽくなりやすいです。
2.年齢:思春期や青壮年(16歳位から50歳位)では皮脂の分泌が活発になりがちです。
3.性別:男性ホルモンの影響で、女性よりも男性の方が脂性肌になりやすいです。
4.月経期間:女性は妊娠中や月経中に皮脂の分泌量が増加します。
5.生活習慣:夜更かしなど生活サイクルの乱れ、過度なストレス、不規則な仕事と休みによって、皮脂の分泌が悪化することがあります。
6.皮膚の状態:脂漏性皮膚炎の患者は、脂っぽいフケが出たり、かゆみの症状があります。

髪質に合わせたシャンプーの頻度は?

1.脂性タイプの髪:毎日髪を洗ってもいいですが、毎回シャンプーを使う必要はありません。
2.中性/乾燥タイプの髪:週に3~4回洗うとよいでしょう。
3.スタイリング剤を使用の場合:残留物を除去するためには毎日髪を洗うことをおすすめします。
4.フケ防止製品の使用について:一般的なフケ防止シャンプーは毎日使用してもいいですが、皮膚の炎症や症状を緩和する効果のある「二硫化セレン」または抗真菌作用のある「ケトコナゾール」を含む薬用シャンプーは、抗菌薬が効かなくなる「薬剤耐性」を避けるために、短期的な使用、あるいは交互の使用がおすすめです。

専門家による研究参考資料

 アジア人を対象に行われた研究による有益な参考資料をいくつかご紹介します。
1. 18歳から75歳までの1,500人の被験者を対象とした研究によれば、シャンプーの頻度を増やすことで、頭皮の状態が改善され、フケ、かゆみや乾燥が軽減され、抜け毛が減り、髪の滑らかさや光沢が向上することが明らかになりました。

2. 髪を洗う頻度が低い(週2回以下)60人を対象にした別の実験では、毎日髪を洗ったグループの髪の脂分、酸化脂質レベル、光沢、水分吸収率は、髪を洗う頻度が低かったグループよりも優れていることがわかりました。

洗髪する時のコツ

1.髪質に合ったヘアケア製品を選ぶ

1)脂性タイプの髪の場合:硫酸塩成分を含んだシャンプーの使用がおすすめです。低刺激性シャンプーと交互に使用するといいでしょう。
2)フケ対策シャンプー:抗菌、抗炎症作用がある「亜鉛ピリチオン」または抗真菌薬の「ケトコナゾール」が配合された製品が有効です。
3)乾燥タイプの髪の場合:低刺激で保湿性の高いアミノ酸系シャンプーの使用がおすすめです。
4)リンス・コンディショナーの使用:頭皮を避けて、毛先に向かって塗布します。毛穴を詰まらせないように5分経ったら洗い流しましょう。

2.髪に優しいシャンプーの仕方

1)頭皮への直接的な刺激を避けるため、まずシャンプーを手でよく泡立ててから髪につけます。
2)爪ではなく、指の腹を使って円を描くように頭皮を優しくマッサージします。爪で頭皮を傷つける恐れがあるので、気を付けましょう。
3)40℃くらいのお湯で髪を洗います。お湯が熱すぎると頭皮のバリアが損傷し、フケや毛穴の奥の毛根を包んでいる「毛包」(または「毛嚢」)の炎症を引き起こす可能性がありますのでご注意ください。

 以上、髪の毛に関する豆知識をご紹介しました。皆さまの髪の健康にお役に立てれば幸いです。

(翻訳・夜香木)