中国の旧正月期間中、全国各地の病院は依然として患者で溢れかえっています。政府の発表によると、現在流行しているウイルスの99%以上がA型インフルエンザであるとされています。また、SNS上では多くの親たちが、自分の子どもがA型インフルエンザで亡くなったと悲痛な声を上げています。しかし、このような報告が相次ぐ中、「本当にこれはA型インフルエンザなのか?」という疑問が広がり、新型コロナウイルスの変異による新たな感染拡大の可能性が懸念されています。
中国のSNS「抖音(Douyin)」では、「A型インフルエンザが猛威を振るい、子どもたちが次々と亡くなっている」と題した動画が投稿され、大きな話題となりました。動画のコメント欄には、多くの親たちが自らの子どもをA型インフルエンザで失った悲痛な体験が綴られています。
あるネットユーザーは、「私の宝物が離れて7日目……あなたが恋しい、恋しい……」と涙ながらに語っています。また、別のユーザーは、「私の娘は8歳5ヶ月、1月14日に私の元から永遠に去りました。」と投稿しました。他にも、「私の息子も昨夜亡くなりました。まだ1歳6ヶ月だったのに……息ができないほど胸が痛い」と嘆く親の声が寄せられています。
こうした悲しみの声は後を絶ちません。「私の息子は8歳9ヶ月、1月9日にA型インフルエンザで亡くなりました。たった一人の子どもだったのに……息をするのも苦しいほど胸が痛いです」「私の子どもは3歳4ヶ月、A型インフルエンザによる脳死で亡くなりました。今日で28日が経ちましたが、毎日が苦しみと絶望でしかありません」「私の次男も亡くなりました。まだ1歳10ヶ月で、5日前に私の元を去りました。涙が止まらず、一生この痛みを抱えて生きていきます」といった声が続いています。
このように、多くの親が自身の子どもを失い、その深い悲しみをSNSで吐露しています。そして、子どもたちの命を奪ったのが本当にA型インフルエンザだけなのか、多くの人々が疑問を抱いています。
一方、全国各地の病院では、発熱外来、救急科、呼吸器科、さらには集中治療室(ICU)までもが満員となり、医療機関は完全にパンク状態に陥っています。医師たちは次々と運ばれてくる患者の対応に追われ、病院の廊下は診察を待つ人々で溢れかえっています。
患者の中には、「症状はまさにA型インフルエンザのようだ。あの時は新型コロナと口にすることすら許されなかった」と話す人もいます。また、ある女性患者は、「このウイルスはずっと存在していたのに、一部の専門家はまるで見て見ぬふりをしている」と憤っています。
さらに、ネット上では、ある医療関係者とみられる人物が「このウイルスは新型コロナよりも致死率が高い」との衝撃的な発言をし、話題になりました。彼は、「今朝の5時に、また、1人を見送りました。このウイルスは本当に恐ろしい。ほとんどが肺炎による呼吸不全で亡くなっています。新型コロナほどの感染力はありませんが、死亡率ははるかに高いです。我々の病棟にはもともと30人の患者がいましたが、現在24人しか残っていません。また、24人の内の3人は危険な状態です」と投稿しました。この発言は瞬く間に拡散され、多くの人々が政府の発表との矛盾を指摘し始めました。
中国政府は、1月16日に国家疾病予防管理局を通じて、新型コロナウイルスのPCR検査を実施するよう全国の医療機関に指示を出しました。また、「必要な場所には必ず発熱外来を設けること」と強調し、病院の受け入れ体制を強化するよう求めています。しかし、このような対応がなされる一方で、政府は公には「現在の流行はあくまでA型インフルエンザであり、新型コロナウイルスではない」との立場を貫いています。この矛盾した対応に、多くの市民は「政府はすでに新型コロナの変異を把握しているのではないか? だが、それを認めることができないのでは?」と疑問を抱いています。
一方で、A型インフルエンザそのものの危険性も軽視できません。杭州師範大学附属病院の呼吸器・重症医学科主任医師である吕群氏は「A型インフルエンザは一般的に軽症で済むと思われがちですが、実際には重症化するケースも多くあり、時には多臓器不全を引き起こし、生命を脅かすこともあります。」とのことです。特に、免疫力の低い人は重症化しやすく、高熱が続いたり、激しい咳、呼吸困難に陥ることもあると指摘しています。
(翻訳・吉原木子)