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 中国共産党が香港国家安全法を実施したことにより米国の制裁を招いた。中国共産党幹部が香港における資産が注目を集めている。米メディアによると、中国共産党中央政治局常務委員会(中共の最高指導部)の常務委員3人の親戚が香港で総額5千万米ドル(約54億円)の豪邸を購入したと明らかにした。過去の報道によると、共産党幹部の各派はそれぞれ香港で巨額な不動産を持っている。

「ニューヨーク・タイムズ」が習近平、栗戦書と汪洋家族の香港資産を暴露

 8月12日、「ニューヨーク・タイムズ」中国語版は中国共産党総書記・習近平、中国人民代表大会(全人代)委員長・栗戦書、中国人民政治協商会議全国委員会主席・汪洋の家族が香港における資産を公表した。

 栗戦書の娘である栗潜心(38歳)は香港で1500万米ドル(約16億円)の4層建て別荘を購入した。夫のシンガポールの実業家蔡華波はすでに退役した競走馬を所有しており、有名な5つ星ホテルザ・ペニンシュラの株式に数億ドルを投資したが、その後売却した。

 同紙の報道によると、栗潜心は香港に本部を持つ国有投資銀行の理事長だけでなく、中国共産党省級政治顧問団体の香港代表でもあるという。栗潜心は多くの共産党幹部と同様に、イギリス領ヴァージン諸島でセントリー・ジョイ・ホルディング有限会社(Century Joy Holdings Ltd.)を設立した。

 習近平の姉斉橋橋の娘である張燕南は2009年香港のレパルスベイで1930万米ドル(約20億円)で別荘を購入した。この他にも少なくとも5つのマンションを所有している。汪洋の娘汪渓沙は2010年に香港で200万米ドル(約2億円)の住宅を購入した。彼女はかつてドイツ銀行の高層管理職をしていたという。

 米国メディアは、中国共産党中央政治局常務委員会の現職3人の習近平、栗戦書、汪洋の親族が香港における巨額な資産を暴露したが、前任の幹部らに一切触れずに、栗戦書の親族に焦点を当てている。栗戦書の左遷を期待する習近平の反体勢力が米国に口実を提供しているとの見方もある。つまり、習近平の国家安全法制定の手柄を握った栗戦書が目をつけられたことを意味する。

元・現共産党幹部らは香港に巨大な不動産を所有している

 2016年4月に明るみに出た「パナマ文書」によると、元政治協商会議全国委員会主席・賈慶林の家族、元副総理張高麗の家族、元政治局常務委員劉雲山の家族は、いずれもオフショア企業と香港の居留証を所有していることが明らかになった。

 香港の「アップルデイリー」紙は2018年10月10日付の報道によると、元副総理の張高麗の娘である張暁燕が香港で不動産の買い続けており、手元にある物件の時価は8.6億元(約130億円)近くと推定されることが明らかになった。同紙が追跡した幹部らの中で、香港の不動産の時価総額が最も大きいのは張高麗の一族である。

 賈慶林の孫娘である李紫丹が24歳だった2015年に、3.87億元(約60億円)香港のスタッブスロードのある住宅を自分のために購入し、現金で決済したという。

 2017年4月、香港メディア「争鳴」誌は、元国家副主席の曽慶紅の家族は国内外で400億から450億元(約7,000億円)の資産を持っていることを明らかにした。その中に、香港で28億~30億米ドル(約3,200億円)、マカオで10億米ドル(約1,070億円)。

香港は中国共産党の権貴家族のマネーロンダリングセンターだ

 香港は20年以上連続でヘリテージ財団から世界で最も自由な経済体としてランク付けされた。香港の主権は1997年に中国共産党に返還されてから、中国共産党の権力層のマネーロンダリングの拠点となっている。

 香港浸会大学新聞学科の呂秉権講師は「ドイチェ・ヴェレ」のインタビューで、香港は中国共産党高層の中継所とされ、香港でマネーロンダリングしたり、パスポートを購入したり、投資家に委託して取引していたことを明らかにした。しかし、中国共産党の幹部らは香港をマネーロンダリングセンターとしているが、恒久的な隠れ家と見ないていない。

 香港市民に対する弾圧は、香港の世界的な金融の地位を脅かし、中国共産党の指導者は香港の資産が危険にさらされていると感じている。

 昨年香港で「反送中」抗議デモ(「逃亡犯条例」改正案への反対デモ)が発生以来、中国共産党高官の香港での資産移動のニュースが相次いでいる。賈慶林は、プライベートジェット機を雇って香港の資産をカンボジアに移していたという。

(看中国記者・林中宇/翻訳・北条、藍彧)