「どんな困難でも14億で割れば、取るに足らないものになり‥‥」(イメージ:CCTVスクリーンショット)

 武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)、南部の洪水などによって中国の民衆は巨大な損失を被っている。近日、中央テレビアナウンサー康輝の一言が反感を買った。

 8月8日、中央テレビは公式ブログで「アナウンサーのニュース解説」という番組を発表した。人気アナウンサー康輝が番組で「疫病、洪水、2020年我々は多くの困難に遭ったが、どんな困難でも14億で割れば、取るに足らないものになり、どんなにちっぽけな力も14億をかけ算すればすべての困難を乗り越えることができる」と中国人を励んだ。

 ネットユーザーからバッシングを受けた。

 「よくもバカげたことを、かけ算割り算の適用を極めたね」

 「困難のときは誰もが自分で背負っている、お前ら(政府)の手助けが必要な時は,どこにおるんだ」

 「特別供給(注1)、幹部用病室、スイスの貯金はなぜ14億で割れないのか。困難を共に担ったから幸福も分かち合うべきだろう」

 「いかにちっぽけな困難でも14億をかけたら莫大な災難だ」

 実は、「14億」というのは昔から中国共産党政権が自らを美化し、世論を誘導し、イデオロギーを構築して政治体系を守るための常用手口に過ぎない。

 2018年中米貿易戦が始まった当初、14億の中国人を盾にいかなる代償でも戦争に打ち勝とうとした。昨年香港の「逃亡犯条例」反対運動において、中央テレビのアナウンサーは14億の中国人を代表して、香港警察の不当な法執行を支持した。ネットユーザーから「代表しないで」と突っ込まれた。

 米国務長官ポンペオ氏は7月23日の中国に対するスピーチにおいて、中国共産党がついた最大な嘘は、14億も監視、抑圧されて発言できない中国人を代表していることだと指摘した。事実上、中国共産党は中国国民の本当の意見を敵国よりも恐れている。

 注1:特別供給は、中国政府が組織し、高官や特別な人に特定の物資を供給する制度のこと。中国共産党の延安時代に発祥したと考えられている。 中国共産党建国当初から、中央政府が正式に実施してきた制度であり、現在も継続している。

(看中国記者・端木珊/翻訳・北条)