今年の台風12号は、日本時間の今日未明、中国広東省恵州市(けいしゅうし)の沿岸部(えんがんぶ)に上陸しました。上陸時の中心付近の最大風速は毎秒45メートルで、日本の気象庁が定める「猛烈な(もうれつな)台風」に相当する強さです。中心気圧(きあつ)は955ヘクトパスカルまで下がり、今回の台風がこれまでで最も強い勢力(せいりょく)に発達(はったつ)しました。
中国の気象当局は今回の台風について、急激な発達、記録的な(きろくてきな)大雨、内陸部(ないりくぶ)への深刻な(しんこくな)影響、二次災害(にじさいがい)の高いリスクといった複数の特徴を挙げて警戒(けいかい)を強めています。現地では今年初となる、最も警戒レベルの高い豪雨警報(ごううけいほう)「赤色警報(せきしょくけいほう)」が発令されました。
今回の台風で特筆すべき(とくひつすべき)点は、正式に上陸する前の25日午後の段階で、すでに深セン(しんせん)や東莞(とうかん)、香港などの周辺で発達した積乱雲(せきらんうん)の帯が発生していたことです。台風本体に匹敵する(ひってきする)ほどの猛烈な暴風雨となり、住民たちは上陸前からその脅威(きょうい)に直面することになりました。
続いて、25日の午後に広東省で撮影され、SNSに投稿された現地の映像をご覧ください。
これらは上陸前の状況に過ぎません。正式に上陸した後の中国のSNSには、広東省や恵州市の住民からさらなる被害の様子が次々と投稿されました。「台風が上陸した夜は、家全体が揺れて一睡もできなかった」という声や、物が散乱した(さんらんした)自宅のベランダを撮影した映像も確認できます。閉ざされた窓ガラス越しでも、外で吹き荒れる風の音がはっきりと聞こえてきます。
さらに、恵州市内で26日の朝に撮影された映像もあります。暴風は依然として吹き荒れており、多くの道路で深刻な冠水(かんすい)が発生しました。複数の車が水没(すいぼつ)し、街路樹(がいろじゅ)が強風でなぎ倒される様子も映されています。
しかし、台風の脅威はまだ去っていません。気象当局の分析によると、台風は上陸後もすぐには勢力を弱めず、広東省の内陸部に長時間停滞する(ていたいする)見込みです。さらに季節風(きせつふう)による水蒸気が流れ込み続けるため、今後2、3日は広東省中東部、福建省南部、江西省南部などで引き続き大雨、さらには記録的な豪雨となる恐れがあります。専門家は、同じ地域で集中的に大雨が降り続くことで河川(かせん)の水位が急激に上昇し、土砂崩れ(どしゃくずれ)や都市部での大規模な浸水(しんすい)といった二次災害のリスクが高まっていると注意を呼びかけています。
現在、現地ではすでに70万人以上が緊急避難(きんきゅうひなん)し、いつでも救助活動を行えるよう複数の地域にヘリコプターが待機しています。台風が勢力を弱めた後に残る低気圧の雨雲は、この後さらに北上を続け、華北(かほく)や黄河(こうが)・淮河(わいが)流域周辺などに影響を及ぼす可能性があります。今回の台風による警戒は、まだしばらく続くことになりそうです。
(翻訳・吉原木子)
