台風18号が3度上陸し、浙江省や福建省の各地で被害が出ました。福建省莆田市では、農村部の古い家屋が浸水した後、相次いで倒壊しています。住民によると、死傷者や行方不明者も出ていますが、中国当局は事実を隠し、公表していないといいます。
台風18号が再び上陸した影響で、9月3日から翌4日にかけて、福建省莆田市では記録的な豪雨となりました。複数のダムが放水し、市内の広い範囲で洪水が発生。農村部では、多くの古い家屋がまとまって倒壊しました。現在、洪水は引いたものの、村や町には大量のごみが散乱し、強い悪臭が漂っています。さらに、今も多くの住民が行方不明になっています。
莆田市城廂区の住民·陳さん:「家が広い範囲で倒れている。水は引いたけど、家が水を吸い込んで、その後も次々と倒れている。高齢者が1人、十数時間から20時間ほど閉じ込められて、ようやく救出された。行方不明者もいる。壊れた家のがれきに埋まった人もいれば、洪水に流された人もいる。車庫から車を出そうとして、出せないまま水にのみ込まれて亡くなった人もいる」
9月4日から5日にかけて、住民たちは家屋が倒壊する様子を何度も目撃し、その音を聞きながら不安な時間を過ごしました。住民によると、倒壊した家の多くは、古い土壁造りや、れんがと土を使った構造の家屋で、主に高齢者が暮らしていたほか、出稼ぎ労働者に貸し出されていた家もありました。一部では、農村住民が自ら建てた2階から5階建ての住宅も倒壊しています。
莆田市涵江区の住民·李さん:「(ドーン)聞こえた? また家が倒れた。土壁の家が倒れた音だ。向かいの家も危ないよ。どれも築数十年の家だから。白塘湖(はくとうこ)のそばでは、4階建ての建物が倒れた。土壁の家じゃない。うちは2階建てだけど、1階はほとんど全部水につかった。築30年以上だから、こんなに水につかったら、もう危ない家になってしまった」
莆田市新度鎮(しんどちん)の住民·林さん:「家はたくさん倒れた。築100年以上の家は、ほとんど全部倒れた。車もたくさん水につかった。うちの村はそれほど深くまで浸水しなかったけど、それでもだいたい1階の半分くらいの高さまで水につかった。水はすごく汚い。川も水でいっぱいになった」
ネット上に出回っている動画には、城廂区霞皋村(かこうそん)が無残な状態になっている様子が映っています。倒壊した家屋のがれきが至る所に散乱し、道路は厚い泥や木の枝、石、さまざまなごみで覆われています。現地では今も断水と停電が続いています。
莆田市の母なる川と呼ばれる木蘭渓(もくらんけい)沿いの村では、特に深刻な被害が出ています。荔城区の西洙村(せいしゅそん)や莘郊村(しんこうそん)などでは、古い土壁の家屋がほぼすべて倒壊しました。
莆田市荔城区の住民·楊さん:「西洙村では、水深が2メートルを超えた場所もあれば、3メートルほどになった場所もある。たくさんの家が倒れた。倉庫は全部水につかり、車も水没した。私はそこから出てきたんだ。ゴムボートに乗って外へ出た。ゴムボートで中に入って、人を助けに行かないといけない」
中国当局の救援活動が遅れているため、複数の村では、住民や村の幹部が自らネット上に投稿し、支援を求めるしかない状況となっています。
9月6日、中国メディア『瀟湘晨報』の報道によると、莆田市荔城区の後墩自然村(こうとんしぜんそん)で、同紙の記者が取材中、目の前にあった危険な家屋が再び倒壊しました。巻き上がったほこりで記者は咳が止まらなくなり、「あまりにも危険だ」と繰り返しました。現在、現場の作業員にできるのは、この区域を封鎖することだけだとしています。
ネット上の動画には、莆田市城廂区霞皋村が見る影もない状態になっている様子が映っています。至る所に倒壊した家屋のがれきが広がり、道路も厚い泥や大量の木の枝、石、さまざまなごみで覆われています。現在も霞皋村では断水と停電が続いています。
朱墩村(しゅとんそん)では、すでに100世帯を超える住民から相次いで救援要請が出ています。その中には多くの高齢者や子どもが含まれており、現地では断水と停電が続いています。
城廂区山牌村(さんぱいそん)の村幹部もネット上で支援を呼びかけ、被災者は1500人を超え、今も断水と停電が続いているとして、各方面に物資支援を緊急に求めています。現地住民が村委員会の通知を転載した際には、特に不足しているのは清潔な飲料水と保存の利く食料で、「村の人たちはみんな腹をすかせている」と訴えました。
荔城区西洪村(せいこうそん)の住民によると、9月4日の洪水後、村では20戸以上の古い家屋が倒壊しました。倒壊によって電気回路が焼損し、水道管も破裂しました。住民の多くは高齢者や子どもで、現在は近所の家に身を寄せるしかありませんが、その周辺も同じように断水と停電が続いています。この住民は、上級機関に救援隊を派遣してがれきの撤去を支援し、一刻も早く水道と電気を復旧させてほしいと訴えています。
白塘鎮の複数の村でも水が流れ込み、家屋が浸水し、道路が寸断されました。一部の低地では、一時、水が大人の首の高さまで達しました。住民によると、外部からの救援や報道は拱辰街道や華亭鎮に集中していますが、白塘鎮の集奎村(しゅうけいそん)、岱埕村(たいていそん)、洋尾村(ようびそん)でも同様に深刻な被害が出ており、多くの古い家屋が倒壊しています。南埕村(なんていそん)の住民は「人がみんな中に閉じ込められて、外に出られない」と訴えています。
災害後、多くの住民が甚大な財産被害を受けたうえ、十分な救援も届かず、断水と停電の中で2日間、空腹に耐えている状態です。ネット上では、この光景について「まるで昔の粥の炊き出し現場のようだ」と嘆く声も上がり、当局に一刻も早い救援を求めています。
今回の豪雨の際、福建省の水利当局は、多数のダムを連携して運用·調整する仕組みを導入し、各ダムの放流などをリアルタイムで調整しました。莆田市内のある地域にある121基のダムだけでも、58基で水があふれました。
住民が『大紀元』の記者に語った内容は地域によって異なります。一部の村では、上流のダムが放水する前に通知はあったものの、住民に避難を求める指示はなかったといいます。一方で、放水について何の通知も受けていないと話す住民もいます。さらに、木蘭渓の治水事業の西湖区間でも崩落が発生しましたが、現地住民にはそのことも知らされていませんでした。
(翻訳・藍彧)
