9月8日の深夜、中国安徽省の合肥(ごうひ)市包河(ほうが)区にある工業団地で、大きな火災がありました。ネットに出回った映像には、敷地一帯が炎に包まれ、夜空がオレンジ色に染まる様子が写っています。消防車とはしご車が何台も入り、火が回った範囲はかなり広いものでした。

 合肥の消防当局は、9日未明に概要を公表しました。8日午後11時3分に通報、燃えたのは断熱材や酒類、飲料など、9日午前0時40分に火の勢いを抑え込み、死傷者はなし。発表はここまでです。

 一方、映像を投稿した人たちからは疑問が出ています。火が出たあと、敷地内の消火栓から水が出ていなかったのではないか。「火事なのに消火栓から水が出ない。ここ数年、何回も見てる気がする」という書き込みもありました。はしご車が長時間放水を続けたこと自体、初期消火で抑えられる規模を超えていた証拠だ、という見方もあります。棚がびっしり並び、プラスチックの梱包材も多い倉庫で、棚まで火が回れば手はつけられません。これらに答える説明は、今のところ出ていません。

 同じ安徽省では、蚌埠(ほうふ)市の電子部品工場でも8日に火災が起きています。ネット上では、賃金の未払いをめぐるトラブルが原因ではないかという情報が流れました。火はその後も3時間以上燃え続けていましたが、消防当局はその段階で、火の勢いは抑え込んだ、死傷者は確認されていない、と発表しています。この投稿を拡散したユーザーは、まだ火が燃えていて救助も終わっていない段階で先に発表を出せば疑問を持たれるのは当然だ、時間差があっただけなのか、現場と発表の中身がずれているのか、そこをはっきりさせてほしい、と書いています。

 中国では最近、火災や爆発が各地で相次いでいます。8月20日未明、河北省秦皇島(しんこうとう)市で建物1階の店舗から出火し、8人が死亡、3人が病院に運ばれました。8月15日には福建省晋江(しんこう)市の靴工場が炎上。8月2日、山東省青島市の倉庫火災では炎が数十メートルまで上がり、敷地内から何度も爆発音が聞こえました。賃金を受け取れなかった従業員が火をつけたという話が流れています。

 7月26日、四川省洪雅(こうが)県の玉屏山(ぎょくへいざん)で山火事。工事を請け負った業者が3年間代金を受け取れず、腹いせに火をつけたというやり取りの画像が出回りました。画像は中国国内では削除され、海外で広まっています。7月9日には福建省晋江市の靴メーカーの工場が全焼し、当局の発表は28人死亡。しかし現場に入った消防隊員が、犠牲者は200人を超えると外部に伝えたという情報もあります。6月3日、江蘇省蘇州市のリサイクル業者の倉庫が爆発、炎上。当局はやけど2人としましたが、ネット上では、賃金の支払いを求めていた従業員が火をつけ、隣の紡績工場に燃え移って爆発が続き、70人以上が亡くなったという現場関係者の話が出ています。5月4日には湖南省瀏陽(りゅうよう)市の花火メーカーで爆発があり、26人が死亡、61人が負傷しました。

 並べてみると、当局の数字と現場から出てくる話が食い違う例が何度も出てきます。賃金の未払いをきっかけにした放火のうわさも、繰り返し現れます。合肥の火災が最初から疑いの目で見られたのは、その積み重ねがあるからです。

(翻訳・吉原木子)