2026年6月上旬、広東省陽江市合山鎮の路上は、清掃員が不在となったことで山積みのゴミに溢れ返りました。これは環境災害などではなく、同鎮の清掃員が半年にも及ぶ賃金未払いに対し、6月1日から半月以上にわたりストライキ(作業停止)を続けたことで引き起こされた事態です。日頃、都市の清潔を維持している末端の労働者たちは、生活が立ち行かなくなり、請負業者や行政機関から給与が支払われなくなった時、作業を停止することで自らの窮状を訴えるしかありませんでした。しかし、合山鎮の路上の混乱は決して特異な事例ではありません。この事象を通して見えてくるのは、2026年上半期以降、中国各地の末端労働者が賃金未払いを理由に集団で抗議の声を上げざるを得なくなっている現状の縮図です。
事実、今年初めに見られた給与の支払いを求める動きにおいて、末端の公共サービス従事者の窮状はすでに広範囲で表面化していました。中国の労働問題に注目する民間監視プロジェクトの記録によると、1月14日には内モンゴル自治区通遼市で、民間環境企業の支社に勤める100人以上の非正規清掃員が、数ヶ月にわたる賃金未払いを理由に、現地の信訪局(行政に対する陳情受付窓口)に集団で赴き給与を請求しています。2月にも、広東省中山市で清掃員が賃金引き下げや未払い問題により集会を起こしたと伝えられています。時間が経つにつれ、このような構造的な財政圧力はさらに顕在化し、各地に波及しています。清掃員だけでなく、教育現場の非正規教員や末端の医療従事者といったグループからも、数ヶ月の給与未払いに関する悲痛な訴えが頻発しており、公共サービス分野における未払い問題は同時多発的な様相を呈しています。
このようなストライキが繰り返し発生する本質は、構造的なリスクの末端への転嫁にあります。「公共サービスの民間委託」というモデルの下で、清掃などの業務は行政から切り離され、何重にも下請けに出されています。上流にあたる地方政府の財政収入が減少し、期日通りに資金を交付できなくなった場合、中間に位置する民間請負業者は自社の資金で立て替えることを拒み、末端への資金供給を直接断ち切ることが多いのが実情です。これらの清掃員の大半は、正式な労働契約の保障がない非正規労働者です。雇用主側に対して法的な交渉力を持たず、雇用側にとっての違約リスクは極めて低く見積もられています。こうして、本来であれば上流が負担すべきマクロ経済や企業経営の悪化リスクが、最終的に「賃金未払い」という形で、最もリスク耐性の低い底辺の労働者に強制的に押し付けられているのです。
地方の財政交付金や外部委託資金に大きく依存する公共サービス分野に加え、実体経済を支える製造業の末端労働者も同様に、経済環境の変動による巨大な衝撃を受けています。複数の海外メディアや民間プラットフォームの情報を照らし合わせると、陽江市合山鎮の清掃員ストライキと同時期の6月中旬、広東省東莞市の電子部品工場およびその関連会社でも、比較的大規模な労働者による抗議活動が発生しました。同工場では、数百人の労働者に対して3ヶ月分の賃金が支払われないまま、経営側が工場の閉鎖や賠償について何の説明もせずに、設備を秘密裏に移転しようとしていることが発覚しました。いわゆる「夜逃げ」を防ぐため、労働者たちは連日工場の門を封鎖して設備の搬出を阻止し、現場の警察官と対峙する事態となりました。
製造業の労働者による工場封鎖の抗議が、利益が枯渇した際の資本の冷酷な逃避を浮き彫りにしているとすれば、清掃員、医療従事者、教員グループのやむを得ない作業停止は、都市の正常な機能を維持するための最低限の基盤を揺るがす事態です。危機が閉鎖的な工業団地から、街の通り、学校、病院へと広がったとき、それが発しているのはもはや単なる労使紛争の警報ではなく、都市の社会インフラ機能が重圧に耐えかねているという危険信号と言えます。
2026年上半期を振り返ると、年初に見られた未払い給与の支払いを求める動きから、6月中旬になっても依然として頻発する工場経営者の夜逃げや清掃作業の停止に至るまで、ひとつの重苦しい現実が浮かび上がってきます。経済の調整局面、企業の資金繰りの悪化、そして地方債務の圧力のしわ寄せが向かう末端において、最も交渉力を持たないグループが直接的な代償を払わされているのです。これらの光景は公式の主要メディアで取り上げられることはほとんどありません。しかし、断片化された記録の数々は、ひとつの現実を静かに物語っています。それは、底辺の労働者たちが生活の基盤を守るために、現在も困難でギリギリの抵抗を続けているという事実です。
(翻訳・吉原木子)
