6月に入り、中国各地で異常気象による被害が相次いでいます。北部では巨大な雹が降り、激しい落雷や稲妻が発生し、広東省や広西チワン族自治区では大雨が続いています。また、貴州省遵義市では先にダムの放流による大洪水が発生するなど、各地で深刻な被害が広がっています。
6月16日、北京・天津・河北一帯は再び激しい雷雨に見舞われました。特に被害が大きかったのは河北省張家口市です。同日午後4時ごろ、現地では卵ほどの大きさの雹が突然降り始め、耳をつんざくような衝撃音とともに約20分間降り続きました。SNSには住民が投稿した写真や動画が数多く掲載され、地面には短時間で大量の雹が積もりました。雹の形も円すい形や平たい形、複数がくっついたものなどさまざまで、中には重さ650グラムほどに達するものもあったといいます。道路脇では多くの車のフロントガラスが割られ、目撃者によると、避難が間に合わず頭部に雹が直撃し、大けがをした人もいたということです。自動車修理工場には当日中に修理待ちの車が殺到しました。
気象当局によると、最大降水量は張家口市で24.5ミリを記録しました。北京市も大雨警報と雷注意報を発表しました。同時に山西省北部の一部地域では風速25メートルを超える激しい雷雨性の突風が発生し、雹や短時間の集中豪雨も観測されました。
また6月16日夜には、北京市でも激しい雷雨に見舞われました。中国メディアによると、夕方から夜にかけて市内各地で激しい落雷が続き、特に市南東部では約30分間にわたり、ほぼ1秒に1回のペースで稲妻が走ったといいます。一部地域では雹や突風も観測されました。SNSに投稿された動画や写真には、無数の稲妻が夜空を覆い尽くし、まるで巨大な電網が空に張り巡らされたかのような光景が映し出されていました。激しい雷鳴が鳴り響く中、多くの市民がその異様な光景に驚きの声を上げました。
気象専門家によると、6月以降に北部で激しい雷雨が頻発している主な原因は、中国東北部上空にある寒冷渦が停滞しているためです。日中の気温上昇によって大気中に不安定なエネルギーが蓄積され、午後から夜にかけて一気に放出されます。そこへ強い風の流れの差が重なり、雹が発達を続けた結果、数百グラムにもなる巨大な雹が形成されたと分析されています。
広東省では毎年5月下旬から6月中旬にかけて降雨が集中します。端午節のドラゴンボートレースの時期と重なることから、現地では「龍舟水」と呼ばれています。今年の端午節は例年より8日遅かったため、大雨のピークも6月下旬まで続く見込みです。この影響で、広東省東部沿岸部では6月13日以降、広範囲で大雨が続いています。広東省水利庁によると、全省平均降水量は78ミリに達し、最も多かった汕尾市周辺では822ミリを記録しました。
中でも最も被害が大きかった陸豊市では、6月14日から15日にかけて50年に一度とされる豪雨に見舞われました。市全体の平均降水量は334ミリに達し、複数の町で500ミリを超える雨が降りました。地域によっては24時間降水量が709.5ミリに達しました。14日午後には、ある村で堤防がおよそ30メートルにわたり決壊し、洪水が一気に流れ込みました。浸水の深さは最大で約3メートルに達し、多くの住宅の1階部分が水没しました。多数の住民が孤立し、電気やガスも停止しました。農作物や家畜にも深刻な被害が出ています。
同日、掲陽市恵来県でも豪雨に見舞われ、1日の降水量が6月としての過去最高記録を更新しました。河口部では濁流が激しくなり、多くの船が流されて衝突しました。また、長期間の浸水と激しい水流によって橋脚の一部が崩落しました。県の防災当局は当日、緊急対応レベルを最高のⅠ級に引き上げましたが、現時点では死傷者は確認されていません。
広東省では豪雨によるインフラ被害も深刻です。特に電力設備への影響が大きく、南方電網広東電網公司は洪水対応の緊急体制をⅢ級へ引き上げました。停電した世帯は一時42万3000世帯に達し、復旧のため延べ8000人以上の作業員と2000台以上の車両が投入されました。その結果、9割以上の利用者への電力供給が回復したとされています。
広西チワン族自治区でも玉林市、貴港市、梧州市などで大雨が続いています。気象当局は豪雨警報を3級に引き上げ、複数の河川観測所で警戒水位を超える洪水が発生しており、厳しい状況が続いています。
6月7日未明には、貴州省遵義市で大洪水が発生しました。上流のダムが放流を行ったことで桃渓河の水位が急上昇し、川沿いの住宅や商店、農家レストラン、農地が大きな被害を受けました。この地域は農業体験や渓流観光で知られていますが、洪水によって多くの農園や施設が一夜にして流され、廃墟となりました。
被災した胡さんはメディアに対し、洪水が川沿いの農園を直撃し、多くの経営者が長年かけて築いてきた事業が一瞬で失われたと語りました。養殖池の魚は流され、住民の中には10頭から20頭の豚をすべて失った人もいたといいます。また、一部の被災者はいまだ十分な支援を受けられておらず、水道や電気も復旧していません。食事や宿泊にも大きな困難を抱えていると明かしました。
胡さんは次のように語っています。「上流で放流が行われ、水が一気に押し寄せた。川沿いの農園はすべて流されてしまった。農園の経営者は長年努力してきたのに、一夜で全て失った。養殖池の魚も流された。上流には10頭から20頭の豚を飼っていた家もあったが、全部流されてしまった」
被災地の住民によると、6月8日午前に水位は最も高くなり、住宅の1階部分は完全に水没しました。川沿いの農園や家屋は流され、基礎部分だけが残りました。各家庭の損失は少なくとも2000万円(100万元)以上に上るといいます。
被災した農家レストラン経営者の王さんは次のように語りました。「農家レストランも家財道具も、ほとんど全て流された。冷蔵庫や車、三輪車もそのまま流された。ビニールハウスや養殖していた魚、鶏やアヒルも全部流され、本当に大きな損失だ。家まで流された人もいて、死傷者も出ている」
また別の農園従業員は、大量の資材が流失または水没して使えなくなり、さらに上流から流れ込んだ大量の泥やごみの撤去も必要なため、完全な復旧には少なくとも1か月はかかるとの見通しを示しました。
(翻訳・藍彧)
