中国の新疆ウイグル自治区石河子(シーホーズ)市で、2026年4月17日の夕方に猛烈な砂嵐が発生しました。高さ数百メートルに達する砂の壁が迫り来る様子が確認されており、巻き上げられた黄砂が急速に市街地を覆い尽くしました。空は一瞬にして暗闇に包まれ、昼間にもかかわらず夜のような暗さとなりました。この影響で一部地域の視界は500メートル未満にまで悪化し、市内の交通は深刻な麻痺状態に陥りました。屋外での活動は直ちに中止され、進行中だったバスケットボールの試合も70分近くの中断を余儀なくされました。
当時の緊迫した様子について、多くの地元市民がSNSに動画やコメントを投稿しています。ある市民は当時の恐怖を振り返り、「まだ午後8時で太陽も沈んでいない時間帯なのに、空が一瞬で真っ暗になりました。まるで世界の終わりのような恐怖を感じました。こんなに恐ろしい砂嵐は初めてです」と語りました。また、新疆に住んで7年になるという別の人物も、「これほど猛烈な砂嵐を経験したのは初めてです。まるでパニック映画のような光景に、ショックで涙が出ました」と書き込んでいます。
この砂嵐は、地元住民の生活や経済活動にも大きな影響を及ぼしています。極端な視界不良により、新疆各地の高速道路で一時的な通行止めなどの交通規制が敷かれたほか、周辺の空港では多数の航空便に遅延や欠航が生じ、多くの旅行者が足止めされました。さらに深刻なのが農業への被害です。4月中旬から下旬は、新疆特産の綿花など農作物の作付けが行われる重要な時期にあたります。強風によって農地の保温用シートが吹き飛ばされたり、蒔かれたばかりの種が砂に埋もれたりしたほか、植え付けたばかりの苗が傷つくなどの被害も報告されており、種の蒔き直しを余儀なくされる農家も出るなど、農業生産に直接的な経済損失をもたらしています。
近年、中国北部では広範囲にわたって砂嵐が頻発しており、今回の新疆での被害もその一連の気象現象の一つとみられています。4月17日から19日までのわずか3日間にも、寒気の東進と南下に伴い、内モンゴル自治区、甘粛省、陝西省、北京市など12の省や直轄市を広範囲な砂嵐が襲いました。この間、甘粛省や内モンゴル自治区の一部地域では、大気汚染物質であるPM10の観測値が環境基準を大幅に上回りました。19日の昼前後には、上空の風に乗って運ばれてきた砂塵の影響で北京市街地でも見通しが悪くなり、降雨と相まって泥混じりの雨が降る事態となりました。
専門家によると、中国北部で春に砂嵐が頻発する背景には、気象条件と地表の状態が複合的に絡んでいるといいます。春の中国北部は依然として寒気の活動が活発で、特に低気圧が発達しやすく、強い風が吹きやすい環境にあります。それに加え、主な砂塵発生源となる北西部では、春先は降水量が少なく気温の上昇が早いため、土壌が極度に乾燥します。まだ植物が十分に育っていない時期であるため、広大に露出した乾燥した地表が砂の供給源となってしまいます。そこに強風が吹きつけることで、地表の砂や土が上空へと巻き上げられ、風に乗って東や南の地域へと運ばれていく仕組みです。
現在も、この寒気と砂嵐の影響は続いています。気象当局の最新の予測によると、今後数日間、新疆北部の地域では引き続き風速30メートルを超える猛烈な突風が吹き、5度から8度の大幅な気温低下を伴う見込みです。また、新疆南部や内モンゴル中東部、東北地方などでも、引き続き強風と砂嵐に見舞われると予想されています。頻発する春の砂嵐に対し、気象当局は影響が予想される地域の住民に注意を呼びかけています。現地では外出時のマスク着用など呼吸器の保護が推奨されているほか、農業や交通機関などの関連部門においても、強風や砂嵐に対する警戒が強まっています。
(翻訳・吉原木子)
