2月11日の早朝、海南省瓊海市(けいかいし)で、まだ開通していない省道の一部に突然、崩れ落ちる兆候が現れました。そこからわずか2時間後、道路全体が完全に崩落しました。『華商報』の報道によると、異変が起きたのは当日の午前7時ごろで、午前9時には路面全体が崩れ落ちたといいます。注目すべきなのは、事故の前の1週間、現地では目立った雨が降っておらず、この道路もまだ開放されておらず、車両の通行もなかったことです。ネット上に出回った動画を見ると、崩落した区間は両側の地面より明らかに高く盛り上がっており、上層にはすでに舗装済みのアスファルト、下層には砕石と土が混ざった路盤構造が見えていました。断面はむき出しになっており、層の違いもはっきり確認できます。

 2月12日、海南省道路管理局の職員は、事故現場が九曲路であることを認めました。公開資料によると、九曲路は海南省の建設中の交通プロジェクトに含まれる省級道路で、瓊海市核心エリアの対外交通を分散させる重要なルートの一部とされています。2024年には海南省の道路・水運交通重点プロジェクトに指定され、審査と建設が始まりました。つまり、これは辺境の農村にある簡易的な道路ではなく、地域の交通機能を担う本格的なインフラ工事だったのです。

 2月26日、海南省交通運輸庁は、すでに担当者を現地に派遣して調査を進めており、あわせて専門の検査機関に委託し、工事材料と実際の施工品質について全面的な点検を行うと発表しました。同時に、設計方案と建設手続きが規定に沿っていたかどうかについても審査を進めています。

 政府の初期調査によると、この区間はもともと使われなくなった川の流路だった場所で、地下には大量の軟弱土やヘドロが堆積しており、地質条件が非常に複雑だったとされています。施工会社は設計の要求に従って軟弱地盤の入れ替え工事を行ったものの、実際の地盤状況を正確につかみきれず、地盤処理が不十分なまま上部の盛り土を進めた結果、荷重が地盤の支持力を超えてしまい、最終的に崩落を引き起こしたという説明です。

 海南省交通運輸庁は、問題の根本は地盤施工の段階にあり、「黄土の上に直接アスファルトを敷いた」といった単純な舗装工法の問題ではないと強調しました。
多くのネットユーザーからは工事の品質や監督責任に疑問を投げかけるコメントが相次ぎました。
 「これはまさにおから工事の道路だ」
 「まだ開通前だったからよかったが、もし通車後だったら被害は想像もつかない」
 「もしこの崩落がボアオ・アジアフォーラムの開催期間中に起きていたら、その影響は計り知れなかったはずだ」

 実際、このような工事の品質問題は、ここ数年、中国各地で繰り返し起きています。住宅では外壁の剥落や雨漏り、カビの発生が相次ぎ、橋の防護柵のボルトが軽く蹴っただけで外れ、新しく造った道路には陥没穴ができるなど、「引き渡し直後から抗議」「開通直後に補修」といった言葉が、世論の中で頻繁に語られるようになりました。

 四川省南部県の肖家大橋でも、防護柵のボルトが脱落した問題が『極目新聞』に報じられています。村民が確認したところ、見えていたボルトの頭は実際には装飾用の部品にすぎませんでした。これに対して関係責任者は、主要構造部分はすでに全面的に溶接されており、安全上の問題はないと説明しました。しかし、こうした説明は責任逃れのようにも受け取られ、国民の不安や疑念を拭い去ることはできませんでした。

 不動産分野でも、同じような問題は起きています。上海の住宅団地「正栄悦瓏府(せいえいえつろうふ)」では、2023年の引き渡し後、多くの住民から、レンジフードの排気ダクトが屋外につながっていない、排水口が塞がれている、壁から水が染み出しているなどの不具合が相次いで報告されました。

 ある不動産会社の関係者は、資金繰りが厳しくなる中で、「削れるところはできるだけ削る」という考え方が業界の暗黙のルールになっていると明かしています。その結果、材料の基準は下がり、施工工程も短縮され、本来その場で表面化するはずのリスクが、引き渡し後に住民側へ押しつけられる構図になっているのです。
工事の品質をめぐる問題は、中国国内だけにとどまりません。中国当局が「一帯一路」構想を進める中で、中国企業は海外でも数多くのインフラ事業を請け負ってきましたが、その一部では品質や債務をめぐる争いも起きています。

 イギリスの『デイリー・ミラー』によると、ケニア西部ブシアにあるシギリ橋は、中国鉄路が建設を担当した大型プロジェクトで、総工費は約1700億円(87億元)に上ります。この橋は2015年に着工し、もともとは2017年8月の完成を予定していました。ところが、その年の6月に崩落事故が発生し、少なくとも27人の作業員が負傷し、そのうち2人は重傷を負いました。

 さらに、2022年12月には、中国とインドネシアが協力して総額約1.2兆円(73億米ドル)を投じて建設したインドネシア高速鉄道、「ジャカルタ・バンドン高速鉄道」でも事故が起きました。この列車脱線事故では、中国人作業員2人が死亡し、4人がけがをしています。

 インドネシア議会交通委員会のメンバーは、この脱線事故によって、この計画そのものが安全基準を根本的に満たしていなかったことが露わになったと指摘しました。批判する側からは、中国の鉄道システムの品質や安全性そのものに疑問を投げかける声が上がり、日本側の入札案を改めて検討すべきだという意見まで出ています。

 一方、南米エクアドルでは、中国水利水電建設集団が建設を担当し、2016年に完成したコカ・コド・シンクレル水力発電所が、崩壊の危険に直面しています。
ブルームバーグの報道によると、エクアドルの現地メディアは、この水力発電所が2026年に倒壊するおそれがあると警告していました。この発電所は地質が不安定な谷に建てられており、近くの滝の崩落によって危険が一段と高まり、水の浸食が加速し、発電所の構造全体が脅かされているとされています。

 この水力発電所は、稼働開始から間もない時期に、すでに数千か所の亀裂、設計上の欠陥、さらに設備トラブルの繰り返しが明らかになっていました。

 エクアドル政府は2021年に仲裁を求め、最終的に2025年に双方は和解に達しました。その結果、中国企業は約600億円(4億ドル)の賠償金を支払うことで合意しています。

 『デイリー・ミラー』によると、ウガンダのカルマ水力発電所も、中国水利水電建設集団が建設を請け負った案件です。2012年に着工しましたが、壁の亀裂やそのほかの欠陥が相次いで見つかり、完成は何度も延期され、実際に稼働が始まったのは2024年9月になってからでした。

 パキスタンでは、中国葛洲壩集団が2018年に建設したニールム・ジェルム水力発電所が、圧力トンネルの漏水によって2022年4月に停止に追い込まれました。このトラブルは大規模な停電を引き起こし、パキスタン政府は修理と代替エネルギーの確保のために、数億米ドル規模の費用を負担せざるを得なくなりました。

 報道では、中国の官製メディアが繰り返し、自国企業を世界の科学技術とエンジニアリング分野の先頭を走る存在だと持ち上げ、「一帯一路」は人類に利益をもたらす百年計画だと宣伝してきた一方で、現実はまったく違っていると指摘しています。実際には、多くのプロジェクトで施工の質が低く、設計上の欠陥も目立ち、危険を抱えたまま進められてきました。しかも、こうした事業は一部の国にとって、背負いきれないほどの債務負担をもたらし、長期的な経済依存や戦略資源の流出につながっているのです。

(翻訳・藍彧)