6月8日、アジア地域では地殻活動の活発化を示す事象が相次ぎました。わずか1日の間に、中国の四川省とフィリピン南部で規模の大きな地震が連続して発生しています。地理的には遠く離れた2つの地震ですが、いずれも最近のアジア太平洋地域における複雑かつ活発な地殻変動を反映したものであり、人々の生活に様々な影響を及ぼしています。
同日の早朝と夕方、中国内陸部の四川省康定市付近を震源とする地震が2回発生しました。中国の地震観測機関によりますと、早朝5時7分にマグニチュード(M)4.5、震源の深さ10キロの地震が発生し、その後、約13時間後の18時52分には、ほぼ同じ場所でM4.3、深さ9キロの地震が起きています。マグニチュードは中規模で甚大な被害には至りませんでしたが、震源が浅かったため広い範囲で強い揺れが観測されました。SNSなどでは、近隣住民から「就寝中に激しい揺れで目を覚ました」「8階にいたため揺れがひどく、立ち上がれなかった」「明け方に揺れたばかりなのに、夜もまた地震があって本当に怖い」といった不安の声が多く寄せられています。
四川省での連続した地震がユーラシアプレート内部における局所的なエネルギーの解放だとすれば、同じ日にフィリピン南部で起きた巨大地震は、プレート境界の激しい衝突によるものと考えられます。広い視点で見れば、これらの地震はどちらもユーラシアプレートと周辺のプレートが交わる地震帯の活動に起因しています。
被害が限定的だった四川省の地震に対し、フィリピン南部の地震は深刻な人的被害と建物の倒壊をもたらしました。現地時間6月8日の早朝、フィリピン南部のミンダナオ島近海を震源とするM7.8の強い地震が発生しました。震源はサランガニ州の沖合約20キロと推定され、ミンダナオ島全体で激しい揺れが観測されたほか、420キロ離れたインドネシアの都市でもはっきりとした揺れを感じたということです。
この地震により、現在までに少なくとも32人が死亡、134人が負傷しました。フィリピンの民間防衛局によりますと、死傷者の原因の大部分は建物の倒壊や落下物、土砂崩れによるものです。被害が集中したジェネラルサントス市では多くの建物が崩壊し、一時的に断水や停電も発生しました。ある大学の建物が倒壊したほか、地元の病院では高層階に亀裂が入ったため、患者が緊急避難する事態にもなっています。
地震の規模が非常に大きかったため、一時は複数の国で津波警報や注意報が発令されました。日本を含む周辺諸国で注意喚起が行われ、沿岸部の住民は高台への緊急避難を余儀なくされましたが、警報は数時間後に順次解除されています。
しかし、フィリピン火山地震研究所によりますと、本震後すでに200回以上の余震が発生しており、中にはM6.7に達するものもありました。頻発する余震は住民に強い不安を与えているだけでなく、現地での捜索救助活動や被害状況の確認を困難にしています。フィリピン政府は軍を動員して救助活動を進めており、マルコス大統領は被災地の支援に全力を尽くす姿勢を強調しています。
フィリピンでの甚大な被害をはじめ、同日に相次いだこれらの地震を受けて、今後もこうした巨大地震が頻発するのではないかとの懸念が広がっています。地質学的に見ると、フィリピンは世界で最も地震活動が活発な「環太平洋火山帯」に位置しており、中国の四川省もまた活断層が密集する地域です。最近、アジアの広い範囲で地震が相次いでいる背景には、この地域の地殻に蓄積されたエネルギーが解放されるサイクルに入っている可能性が指摘されています。太平洋プレートやインド洋プレートがユーラシアプレートを押し続けているため、プレートの境界や内部の断層活動は、今後も活発な状態が続くと予想されます。
現在の科学技術では、いつ、どこで次の大地震が起きるかを正確に予測することは困難です。しかし、環太平洋地域においては、このような規模の地震が今後も発生するリスクが常に存在すると考えられます。さらに、ある地域で大きな地震が起きて地殻のバランスが変化すると周辺の断層にも影響を与え、それに伴って周辺地域での地震活動が活発化するケースも少なくありません。
自然の脅威そのものを防ぐことは困難ですが、建物の耐震化や津波の早期警戒システムの整備、迅速な避難体制の構築など、過去の教訓を生かした対策が被害を最小限に抑える鍵となります。今回の2つの地震は、社会全体の防災体制の重要性を改めて浮き彫りにしています。
(翻訳・吉原木子)
