ティックトックで拡散しているこの動画で、この女性は自分の結婚相手に求める条件をはっきり口にしつつ、同時に戸惑いも明かしました。これは一個人の愚痴で片づけられる話ではなく、中国の婚活市場で見過ごせなくなっている現実を映しています。年齢を重ねても未婚の女性が直面する結婚の壁が、いま社会の話題になりつつあるのです。
この高収入で未婚の女性の条件について、男性のネットユーザーはこうコメントしました。
「彼女はずっと現実に気づいていない。男の資本はお金で、女の資本は年齢だ。年収約1000万円の男にとって、その1000万円が自分の価値になる。彼が求めるのは20代の若い女性だ。若い、というのがポイントで、中年の女性ではない」
一方で、女性のネットユーザーからもこんな声がありました。
「お姉さん、もう38歳なら、もし相手が年収約1000万円だったら、なぜあなたの年齢層を選ぶの?もっと若い人のほうがいいに決まってるのよ。子どもを産むにしても高齢出産になるし、数年たてば閉経だって近いんだから」
あるブロガーはこう語っています。
「この先3年の婚活市場は、間違いなく大きくひっくり返ると思う。いま多くの女性が結納金のために、彼氏にお金をかき集めさせたり、借金させたり、ひどい場合は相手の家族まで負債を背負って結婚しようとしている。男が、結婚の代償が自分の家族全体の限界を超えていると気づいた瞬間、最初に出る反応は、もう頑張ろうとしなくなることだ」
「深セン市の婚活市場は、もう女性が相手を探す上でいちばん厳しい場所になっている。ネット上のデータにいつまでもしがみつくのはやめたほうがいい。男が女より3000万人多いっていうのは、ただの大きな統計で、現場では意味がない。現実はこうだ。大勢の年齢を重ねた女性が集まって、あれこれ選び続けている。もしあなたが相手の探し方を変えないなら、かなりの確率で最後は孤独な老後を迎えることになるだろう」
中国は「女の国」に入っていくのでしょうか。最近、深セン市、南京市、成都市など複数の都市の「お見合い広場」で、男女比が驚きの1対50に達したと言われています。杭州市の婚活イベントでは、参加者が女性だけで1000人以上集まったのに、男性が1人もいなかったという話まで出ています。
公開データでは、中国の男性人口は女性より3000万人多いとされています。明らかに男性過多の状況なのに、なぜ結婚市場では独身女性50人に対して、独身男性はようやく1人見つかる程度だと言われているのでしょうか。
国勢調査のデータによると、2000年から2020年にかけて、30歳から44歳の未婚女性の割合は0.8%から5.6%へと上昇し、7倍に増えました。同じ年齢層では、男性の未婚率もはっきり上がっています。とくに経済が発達した地域では未婚率が全国平均を大きく上回っており、たとえば2020年の北京では、30歳から34歳の未婚率が23.9%に達しました。
一方で、中国の結婚率はここ数年ずっと下がり続けています。ロイター通信が2025年11月7日に報じたところでは、2024年の全国の結婚登記は610万組で、前年から20%以上減少しました。これはここ数年で最低水準です。結婚数はしばらくほぼ下げ止まらない状態が続き、初婚の人数が減っていく流れも、この10年ほど前からすでに見えていました。
実際、中国の婚活市場はいま大きく歪んでいます。結婚率は過去最低に近づく一方、離婚率は高いままです。さらに車や家といった高額な条件、社会の中で進む男女の役割分担の固定化、高収入で見た目も良い女性を過剰に持ち上げる空気まで重なっています。
たとえば、25歳で見た目がよく、身長160センチ、月給13万円(6000元)の大学卒女性なら、婚活市場では簡単に「優良」とレッテルを貼られやすいのに対し、同じく大学卒で28歳、顔立ちが整い、身長175センチ、月給22万円以上(10000元以上)の男性でも、家も車もなければ、そもそも市場の入り口にすら立てないと言われます。
さらに最近は、女性側の条件では家と車は「最低ライン」に過ぎない、という見方もあります。交際に入ったあとも、バレンタインなどで、男性がお金で十分な愛情を示せなければ、「一生を託す相手ではない」と判断されてしまうことがある、というのです。
こうした状況の中で、国際結婚が増えていることを、「中国人女性にとって大きな衝撃だ」と見る人もいます。
国際結婚が増える背景には、中国国内の結婚市場が、地元の相手に対して求める条件が高すぎること、そして結婚にかかるコストが重すぎることがあると言われています。国別で見ると、中国に嫁ぐ人数が最も多いのはベトナム人女性だとも言われています。中国人男性の中には、ベトナムへ行って結婚相手を探す人がいて、特に国境に近い地域ではその動きが目立つようです。報道では、チワン族自治区や雲南省などで、国際結婚が現地の婚姻の中でかなりの割合を占めている、という指摘もあります。
では、なぜベトナム人女性が中国に嫁ぐケースが多いのでしょうか。
中国のティックトックを見ると、中国に嫁いだベトナム人の若い女性が、ほぼ標準語に近い中国語で動画を投稿し、中国での暮らしを紹介している例がたくさんあります。
中国に嫁いだこのベトナム人の女性は、動画の中で次のように話しています。
明らかに、ベトナム女性が家事を得意とする特徴は、中国の都市部で育った多くの女性にはないものです。また、ベトナムは中国よりも経済発展の水準が低いため、結納金に対する要求も、中国人女性よりかなり低いのです。
「多くの人が知っている通り、中国の経済発展の水準はベトナムより高く、多くのベトナムの若い女性は、国際結婚によって自分や家族の暮らしを改善したいと考えている。中国のほうが生活条件が整っており、ベトナムの女性にとって非常に魅力的になっている」
「まとめると、ベトナム人女性が中国に嫁ぐのは、中越両国の経済発展の差、文化的な相性、そして双方の現実的な需要など、いくつもの要因が重なって起きている現象だ」
国際結婚が広がっていることは、中国の一部の男性が国内の結婚コストを避けようとしている現実を映す一方で、中国国内の結婚や恋愛の構造が大きな調整期に入っていることも示しています。個人の選択を尊重するという前提を守りながら、結婚のハードルをどう下げていくのかこそが、より議論すべき課題であるのではないでしょうか。
(翻訳・藍彧)
