先日、「権力への挑戦状」と題された動画がネット上を駆け巡り、人々に衝撃を与えました。これは単なる個人の叫びではありません。中国社会の底流でマグマが動き出し、民意が根本的に逆転し始めたことの縮図なのです。恐怖がもはや統治者の身を守る盾でなくなった時、暴政のカウントダウンは静かに、しかし確実に始まっているといえるでしょう。

 1月2日、Xで出回っている動画は、見る者の心を激しく揺さぶりました。動画の中で、一人の男性がカメラを見据え、毅然とした表情で中国共産党当局に対し、心に突き刺さるような「挑戦状」を叩きつけたのです。「彼らはあなたたちが恐れることを望んでいる。口をつぐむほどに、忘れてしまうほどに恐れることを。だが、今日のこの挑戦状で、はっきりと告げよう。我々はもう恐れない!」この言葉は、全体主義支配の急所を的確に突きました。長きにわたり、中国共産党は至る所に恐怖を植え付けることで統治を維持してきましたが、この男性は「お前たちのやり方など、世論の監視下では張り子の虎だ……恐怖こそが彼らの最後の武器なのだ」と一刀両断したのです。

 この動画は瞬く間に圧倒的な共感を呼びました。退役軍人から一般のネットユーザーまで、「正義に敬意を」という叫びから「全人民の覚醒」を求める声に至るまで、コメント欄の一方的な支持は、民衆がもはや、ただ死を待つ子羊ではないことを如実に物語っています。あるネットユーザーは鋭く指摘しました。「ついに庶民を『死をも恐れぬ』境地まで追い込んでしまった。暴政の終焉は遠くないのではないか?」さらに注目すべきは、民間の抵抗が単なる言葉による怒りから、実質的な「不服従運動」へと移行している点です。「国産タバコに助燃剤が添加されている」というニュースに対し、ある多くの共感を集めたコメントは「家を買わない、車を買わない、タバコも酒も買わない」という「4つのしない」戦略を提唱しました。消費を減らすことで、全体主義という社会マシーンを空転させ、崩壊を加速させようと呼びかけているのです。この無言の抵抗は、中国共産党の経済基盤を解体するための、まさに「真綿で首を絞める」ような鋭い武器となっています。

 この一見突発的に見える覚醒は、決して孤立したものではありません。ここ数年の歩みを振り返れば、抵抗の精神が絶えずレベルアップし、拡散していく軌跡がはっきりと見て取れます。経済崩壊、失業率の急増、そして政治的な高圧統治という触媒によって、中国の人々は体制に対する迷信から完全に目覚めつつあります。早くも2020年には、先駆者の叫びが静寂を破っていました。山東省の青年、張文斌さんは動画で公然と「共産党退陣」を訴え、自身がかつてはいわゆる「小粉紅」だったが、共産党の邪悪な本性を知り、血塗られた歴史をもはや見て見ぬふりはできないと吐露しました。そして2022年10月、彭立発は北京の四通橋にたった一人で、「PCR検査より飯を、文革より改革を、独裁国賊・習近平を罷免せよ」という横断幕を掲げました。この衝撃は世界を震わせただけでなく、その後の「白紙運動」の精神的な火種となりました。そのわずか1ヶ月後、上海のウルムチ中路に集まった群衆は「共産党退陣、習近平退陣」というスローガンを叫びました。これは数十年ぶりに、中国の民衆が街頭で公然と共産党統治の終結を求めた政治的訴求でした。

 2023年に入ると、街頭での怒号はより多元化し、防ぎようのない「ゲリラ戦」や「至る所で狼煙が上がる」様相を呈し始めました。勇士・柴松さんは山東省済南で遠隔操作によるプロジェクター投影を利用し、「共産党を倒せ」という赤地に白文字のスローガンを繁華街のビルに直接映し出し、当局の不意を突きました。2023年4月には、天安門に「習近平と共産党は退陣せよ」というスプレー書きが出現しました。2024年には、「ネット検閲システム」撤廃運動の推進者が野外で公然と「特権ではなく平等を」と叫びました。時は2025年となり、反共産党の波はさらに勢いを増しています。四川省江油でのいじめ事件を発端とした集団抗議から、雲南省昆明の記念堂前でのプラカード掲示、河北省廊坊の電柱に現れた「中国共産党は中国ではない」という張り紙、そして重慶大学城で50分間にもわたり続いた巨大な投影デモに至るまで、その勢いは止まりません。反抗のスローガンは北京の掲示板や公衆トイレの個室にまで現れました。この「トイレ革命」は、独裁者の名前を汚物と同列に並べ、極限まで嘲笑するものとなりました。

 これら相次ぐ抗議活動の背後にあるのは、単なる民衆の怨嗟の噴出ではなく、認識の質的な変化です。人権団体「異言網(China Dissent Monitor)」のデータによると、2022年6月から2025年11月までの間に、中国では13,200件以上の抗議事件が発生し、年々増加傾向にあります。不動産の建設中断や給与未払いなどの民生問題が導火線になることが多いですが、その矛先は例外なく体制そのものに向けられています。遼寧省瀋陽や大連などで見られた「中国共産党と中国は別物だ」「共産党はカルトだ」というスローガンは、民衆がイデオロギーの面ですでに共産党と完全に決別したことを象徴しています。人々は痛感し始めたのです。愛国とは党を愛することではなく、国家という身体に寄生したこの悪性腫瘍を切除して初めて、中国は新生を迎えられるのだと。

(翻訳・吉原木子)