2025年、世界各地で中国人観光客の振る舞いが改めて注目されています。2012年には世界最大の観光消費国となった中国ですが、海外でのマナー違反が今も続き、各国の旅行者や地元住民から不満の声が上がっています。さらに海外在住の華侨からも「同胞として恥ずかしい」という厳しい意見が相次いでいます。2025年の今、国際社会で何が起きているのか、その背景と実態を探ります。
外国人が語る中国人観光客への評価
中国を旅行したドイツ人観光客は次のように話しています。
「唾を吐く行為が好きではない。正直言って、ここの食べ物も口に合わないし、ドイツと食文化がかなり違う。もう一つどうしても言わないといけないことがあるが、もし不都合ならカットしてもいい。しかし本当に多すぎると思う。男性が道端で平気で痰を吐く。あれは良くない。マナーがないと思う」
また、長城を訪れた日本人女性は、中国人観光客の行動に強い嫌悪感を示しています。
「唯一嫌なのは、秩序を守らず、平気でゴミを捨てること。山を登っているとき、本当にこういう行為が嫌になる。万里の長城にはほとんど中国人しかいない。それ自体はすごいことだと思う。しかし、自分の鼻水を長城にこすりつけたり、吹きかけたりする人がいるのは、さすがに良くないだろう」
さらに最近では、中国人観光客が韓国・ソウルにある王宮、景福宮(キョンボックン)の近くで用を足したり、日本の電車の中で運動したり、公衆トイレで髪を洗い乾かすなどの行為も報じられています。
海外在住の華僑が語る「同胞への本音」
長年海外で暮らす華僑にとっても、中国人観光客のマナー違反は恥ずかしく感じられるようです。
ある華僑女性はこう語ります。
「本当に理解できない。なぜ中国人は海外に出ると『差別された』と言うのか。でも、自分の行動を振り返ったことはあるのか?反省したことはあるのか?考えてみてほしい。海外で平気で唾を吐いたり、好き放題に振る舞ったり、人に対して大声で失礼な態度を取りながら、どうして相手が親切にサービスを提供し続ける義務があると思うのか。他の国のことは分からないけれど、少なくとも私が住んでいたオーストラリアでは、相手に敬意がない客のサービスは断ることができる」
ある女性ブロガーがマレーシアに滞在していた際、スターバックスの店内で皆が順番を守って並んでコーヒーを買っているのに、ある中国人女性だけが列に割り込み、先に注文しようとする場面を目撃しました。すると西洋人の客が親切に「夫人、列にお並びください」とやんわり注意しましたが、その中国人女性は平然と「何を言っているの?分からないわよ。中国語で言いなさい」と言い返し、周囲は呆れ返ったといいます。
別のブロガーも似た体験を語っています。ある中国人女性が東京を訪れた際、切符をなくしたようで改札から出られず、日本語が話せないことを理由に大声で「日本人は通訳を呼ぶべきだ」と主張しました。しかし周囲の人々は、彼女が礼儀正しく助けを求めるか、英語を使うか、スマホの翻訳アプリを使うべきであり、日本の駅員に命令するようにサービスを求めるのは失礼だと感じていました。
中国のネットユーザーは「海外で中国人が物事を進めにくくなっているのは、結局中国人自身の行為が原因だ」と指摘しています。
「これは人として最低限のマナーだ。日本で日本人が日本語を話すのは当たり前のこと。自分が分からなければ工夫して解決するべきなのに、それを『何を言っているか分からない』と言って馬鹿にするのは違う。そしてもう一つ。ある中国人女性がホテルに泊まった際、スーツケースの車輪が壊れたので捨てたいと言った。ホテル側は『こちらで処分できますが、処理費は日円約2000円です』と説明した。正直、私が店側ならいくらお金をもらっても処分したくない。面倒すぎるから!」
このブロガーは、日本では一般ごみですら細かく分別が必要で、粗大ごみは事前予約が必要なことが多く、種類によって料金が異なるのは当然のルールだと説明します。これは外国人だけでなく、日本人であっても必ず守らなければなりません。
同ブロガーはまた、日本は「サービス大国」であり、接客業の人々は毎日笑顔で働かなければならないと語ります。しかし、現場でマナーを守らない中国人客に何度も遭遇すれば、裏で話題にするのは自然であり、次に中国人を対応する際に悪い印象を持つのも当然だといいます。
中国人黒衣男性の「愛国」が世論の怒りを招いた
今年10月、湖南省張家界(ちょうかかい)の観光地で、韓国人旅行団のガイドが旗を掲げて案内していたところ、黒い服を着た中国人男性が近づき、その旗を指差しながら「これは中国の旗なのか?その旗を取れ。さもなくければ通報するぞ!」と詰め寄りました。
ガイドは戸惑いながら「なぜですか?」と尋ねましたが、黒衣の男性は感情的に「中国の領土内で外国の旗を掲げるな」と言い、その旗を乱暴に奪おうとしました。韓国人ガイドが「これはツアーの識別用の旗だ」と説明しましたが、男性はまったく聞く耳を持ちませんでした。
この出来事の後、中国のネットでは「この男性は考えが狭すぎる」「反応が過剰だ」という批判が相次ぎました。韓国は張家界最大の海外観光客の供給国であり、2024年の海外観光客の7割以上が韓国人であったことから、「この行為は観光地としてのイメージや経済に深刻な打撃を与える」との声も広まりました。
あるネットユーザーはこう書き込んでいます。
「これが愛国か?本当に愛国したいなら、きちんと納税し、雇用を生み、結婚して子どもを育て、運転では割り込みをせず、高速道路でノロノロ走らず、国内経済を良くするために行動しろ。お前のしていることは愛国を名乗って大衆の感情を利用しているだけで、実際には何もしていない」
中国人はなぜこうなのか?
中国人はなぜ、ここまで秩序を守らないのでしょうか。それは本来の性質なのでしょうか。実際には、中国には五千年以上続く豊かな文明があり、かつて世界が注目するほどの栄華を誇りました。しかし1949年以降、中国共産党が伝統文化を体系的に破壊し、国民の生活様式を大きく変えていきました。祭りや礼儀、娯楽、衣食住などあらゆる面に影響を与えました。今日の中国人の姿は、中国共産党の「党文化」によって形成されたものと言えます。
中国は現在、世界で残るほぼ唯一の共産党国家であり、非共産圏の国々とは価値観も生活様式も大きく異なります。そのため、中国人の振る舞いが特に目立つのは、ある意味当然とも言えます。
また、中国共産党は長年にわたり徹底した洗脳を行い、「中国共産党こそが中国」という誤った概念を植え付け、いわゆる愛国、実際には「愛党」を最高の道徳としました。その結果、洗脳が深刻な人ほど「愛国」の名のもとに常識外れの行動を取るようになったのです。
(翻訳・藍彧)
