中国共産党による臓器の強制摘出問題は、長年にわたって国際的な注目を集めています。最近では中国のSNS上で失踪事件が相次いで報告されて、国民の間にさらなる懸念が広がっています。
7月29日、複数のネット投稿で、退役軍人が突如として行方不明になったケースが明るみに出ました。特に20代前半の若い元軍人が多く、家族たちはネット上で助けを求め、捜索協力を呼びかけています。
雲南省の若い退役軍人が失踪
7月19日、ティックトックのブロガー「尋人志願者・劉洪海」が投稿した動画によると、24歳の退役軍人・王研超(おう・けんちょう)さんが雲南省景洪市(けいこうし)で消息を絶ちました。
動画の中で、王さんの姉は「王さんは退役後に再び大学へ進学し、今年卒業したばかりで、7月5日、陝西省咸陽市から飛行機で景洪に向かった後、家族との連絡が途絶え、現在まで何の手がかりもない」と説明していました。
7月24日には王さんの父親が別の動画で涙ながら、「息子が行方不明になってから17日も経っている。あっちで何か酷い目に遭っているのではないかと心配でたまらない」と語りました。
広西チワン族自治区の退役軍人が失踪
7月24日、ティックトックのブロガー「藍鳥救援」は、22歳の退役軍人・靳太阳(きん・たいよう)さんが6月5日に河南省鄭州市から広西チワン族自治区南寧市に飛行機で向かった後、行方不明になったと報告しました。失踪からすでに50日が経過しています。
ネット上のコメント欄には、複数の男性が両手を縛られた状態で地面に座っている写真が投稿され、その中の黒い服を着た人物が靳さんではないかと指摘する投稿もありました。
コメント欄には、広西のネットユーザーによる、次のような書き込みが相次いでいます。
「南寧市は『豚仔(人身売買の隠語)』の中継拠点になってしまったのか?」
「最近、広西省では行方不明者が続出している。一体何が起きているのか?」
「誰がそんな大胆なことをしているんだ?雲南省の取り締まりが厳しくなって、今度は広西省で横行しているのか?」
雲南省や広西チワン自治区のほかにも、各地で退役軍人の失踪が続いています。
河北省保定市(ほていし)高嶺鎮(こうりょうちん)天寺台村(てんじだいそん)では、30歳の退役軍人・盧増瑞(ろ・ぞうずい)さんが今年1月28日を最後に行方不明になりました。
福建省では、22歳の元武装警察官が昨年12月15日に四川省成都から雲南省西双版納(せいそうはんな)に向かった後、消息を絶っています。
河南省商水県(しょうすいけん)の退役軍人・董文博(とう・ぶんはく)さん(33歳)や、安徽省蕪湖市(ぶこし)の29歳の退役軍人・林冲(りん・ちゅう)さんも失踪しています。
現役軍人も失踪
行方不明となっているのは、退役軍人だけにとどまりません。
6月23日、ティックトックのブロガー「子雨」が投稿し、江蘇省靖江市(せいこうし)に勤務する現役軍人・黄満紅(こう・まんこう)さんと劉勇(りゅう・ゆう)さんが、6月17日に靖江市汽車駅で行方不明になったとして、ネット上で捜索協力を呼びかけました。
また、「春天的到来」というブロガーが4月7日に投稿した動画によると、四川省隆昌市(りゅうしょうし)出身の21歳の消防隊員・華才成(か・さいせい)さんが、3月11日に消防救援基地を出たのを最後に連絡が取れなくなっているということです。「今の社会は本当に恐ろしい。軍人ですら行方不明になっている。一般家庭の子どもたちはどうなるのか?」
退役軍人・現役軍人の失踪が相次ぐ中、ネットユーザーたちの間では、次のような驚きと憤りの声が投稿されています。
「軍人にまで手を出すなんて、これはもう普通の社会じゃない」
「今日だけで、何人もの子どもが行方不明になったという投稿を見た」
「退役軍人にまで魔の手を伸ばすとは、あまりにも無法だ」
「軍人ですら行方不明になるなんて、もう想像すらできない」
「失踪者の身体の一部が、上級幹部のために使われているのでは」
失踪と「移動火葬車」
ティックトックでは、退役軍人や青少年、大学生だけでなく、家族全員が失踪したという報告までもが投稿されています。これにより、一部のネットユーザーの間では、こうした失踪事件が「生体臓器収奪」と関係しているのではないかという疑念が強まっています。
コメント欄には、多数の「不審な車両」の写真も投稿されています。写っているのは「健康診断車」「移動治療車」「移動手術車」「移動火葬車」といった車両であり、ネット上ではこれらが「体の検査から臓器摘出、そして火葬まで」を一括で処理する「ワンストップの処理ルート」であるとする声もあります。
とくに、「移動ペット火葬車」の動画が大量に出回っていることに対して、多くのネットユーザーは強い戦慄を感じています。
警察、不審車両の検査を禁止
あるチャットアプリのスクリーンショットがネット上に流出しました。それによると、警察官の一部が「上司からの命令で、特定の不審車両は検査禁止になっている」と証言しています。ある広西チワン自治区のネットユーザーが次のように疑問を投げかけました。
「これだけ行方不明者が出ているのに、なぜ警察は不審車両を調べようとしないのか?」
これに対して、複数の警察関係者が次のようにコメントしています。
「福建省には基地がある。私は新しく配属された警察官だが、この種の車両は上司に『検査するな』と言われている」
「四川にも基地がある。私は補助警察官だが、ナンバープレートのないワゴン車でも見て見ぬふりをするよう命じられている」
「交通警察として言わせてもらうが、上の指示で声をかけることすら禁止されている。自分の生活もあるから仕方ないが、あの車両には絶対に何かある。普通じゃない」
専門家分析「失踪と臓器摘出の構造的関係」
個人メディア「第三の目」が6月20日に「ガンジンワールド(干净世界)」プラットフォームに投稿した動画では、次のように指摘されています。
「中国共産党は政権を奪取して以来、中国国民に対してさまざまな残虐行為を行ってきた。その中でも、最も非人道的で悪質なものの一つが『生体臓器収奪』である」
このメディアによれば、中国共産党は臓器の強制摘出を国家の経済的な柱、さらには外交手段としても利用してきたとされます。
とくに、1999年に法輪功の弾圧が始まってからは、法輪功の学習者たちがターゲットとされ、大量の臓器が収奪されて「生体臓器バンク」が構築されたといいます。
新疆から全国へ広がった「臓器の道」 選ばれた市民の末路
当初は法輪功学習者が主な対象でしたが、その後、中国共産党は新疆ウイグル自治区に「再教育キャンプ」を設置し、数百万人規模のウイグル族を拘束しています。彼らからの臓器収奪が次なる段階へと進んだと報告されています。
近年では、中国共産党の臓器市場が世界各地に広がり、臓器の需要が高まると、今度は全国的に「人体臓器グリーン輸送通路」を整備し、「選ばれた一般国民」からも臓器を摘出する体制が築かれたとされます。
その対象には、月齢の赤ちゃんすら含まれることがあり、必要に応じていつでもどこでも中国人の臓器を摘出できる仕組みができあがったとも言われています。
その結果、中国では毎年数百万人もの人口が「失踪」として消えていっているというのです。
(翻訳・藍彧)
