最近、中国各地では極端な気象現象が次々と発生しています。干ばつ、高温、豪雨、洪水と変動し、社会の注目を集めています。5月17日には、干ばつが続いていた広西チワン族自治区が突然の豪雨に見舞われ、複数の河川が警戒水位を超える洪水となり、少なくとも3人が死亡、1人が行方不明となりました。
天眼新聞の報道によると、広西の水文部門による観測では、5月17日8時から18日8時にかけて、羅江、桂江支流の富群河、洛清江支流の西河にある3つの観測所で、水位が0.06〜1.23メートル警戒水位を超える洪水が観測されました。中でも、玉林市北流市大倫鎮の羅江河川区間では、2015年以来最大規模の洪水となりました。
広西水文センターの予測によれば、今後24時間以内に桂江中下流域、洛清江下流域、賀江下流域および西江の水位がさらに1〜2メートル上昇する見通しです。南寧市、貴港市、梧州市、賀州市、玉林市などでは、一部の中小河川で再び警戒水位を超える洪水が発生する可能性があります。
百色市隆林各族自治県の応急管理局によると、5月16日から17日にかけて、同県の一部の郷鎮で大雨から豪雨、局地的には非常に激しい雨が降りました。これにより岩茶郷で洪水が発生し、冷独村南懐屯の山中で仮設小屋に一時滞在していたユーカリ栽培作業員4人が流されました。これまでに3人が発見されましたが、いずれも死亡しており、残る1人の捜索が続けられています。
4月中旬以降、広西では深刻な干ばつが続き、干ばつ被害の面積は最大で97.5%に達し、そのうち68.7%が深刻な干ばつの被害に遭いました。ある地元の高齢者は「何十年も生きてきたが、これほどの干ばつは見たことがない」と語っています。5月8日から9日にかけては、南寧市、桂林市など少なくとも9つの都市で豪雨が降り、一部の郷鎮では雹とともに非常に強い突風も観測されました。観測によると、九洲江など少なくとも5本の河川で1〜3.5メートルの水位上昇が記録され、大寧河の一部区間では警戒水位に達したとのことです。
同じ時期に、広東省や福建省でも極端な気象が続いています。5月17日には、仏山市、広州市など少なくとも5つの市と県で中程度の雨から大雨、局地的には激しい雨または非常に激しい雨が観測されました。気象観測によると、同日8時から17時の間に、広東省全体で8つの鎮と街で100ミリを超える降雨、38の地点で50〜100ミリの雨量が記録されました。中でも清遠市、英徳市黎渓鎮では、最大174.2ミリの降雨が観測されました。18日7時から10時の間には、陽西県での降雨量が214.9ミリに達し、ネット上では「まるで滝のような雨」と揶揄されました。18日8時30分の時点で、広東省では24件の暴雨警報が発令されました。6件が特別警報(赤色)、9件が警報(橙色)、9件が注意報(黄色)で、さらに6件の雷雨・強風に対する注意報(黄色警報)も出されてました。
福建省では、17日19時に気象台が暴雨警報をⅢ級に引き上げ、同時に暴雨へのⅣ級緊急対応を開始しました。18日の日中には、福州市、泉州市など少なくとも6つの都市で豪雨が降り、局地的には非常に激しい雨となりました。24時間の降水量は50〜80ミリに達し、局地では120ミリに及びました。雷雨の際には、一部地域で短時間の集中豪雨、非常に強い突風や雹が観測されました。
5月18日、福建省自然資源庁は「地質災害気象リスク警報(橙色)」を発令し、17日には福建省水文水資源調査センターが「山津波災害リスク注意報(黄色警報)」を出し、豪雨および激しい気象に伴う地すべり・洪水・交通リスクへの注意を呼びかけました。
南部で水害が広がる中、北部では異例の高温が襲来しています。5月18日、今年初となる北方地域での大規模な高温現象が始まり、19日から22日にかけてその影響が最も強くなると予想されています。西北、華北、黄淮などでは40℃を超える厳しい暑さが予想されており、特に陝西省では今回の高温の中心地域となり、一部では観測史上最高気温を超える可能性もあります。
寧夏回族自治区、湖北省など少なくとも6つの省で35℃以上の高温が予想されています。山西省、河南省、山東省、陝西省などでは最高気温が37〜40℃、局地的には40℃を超える見込みです。今回の高温は、広範囲に大きな影響をもたらすという点で、明らかに極端な現象といえます。
5月18日には、中央気象台が引き続き暴雨に対する情報(青色警報)を発表しました。18日8時から19日8時にかけて、浙江省、江西省、福建省、雲南省、広西、広東省などの一部地域では大雨から豪雨となり、局地的には1時間に80ミリを超える短時間の強い雨などの激しい対流性気象が予想されます。中でも浙江省を含む4省の一部地域では、100〜180ミリの豪雨となる見込みです。
南では洪水、北では猛暑——中国全土で異常気象が連続して発生しています。防災・減災への体制強化が急務となっています。
(翻訳・吉原木子)
