中国では5月の大型連休が始まりましたが、突如として発生した極端な気象により、多くの人々の旅行計画が混乱に見舞われました。4月30日、陝西省、山西省、河北省、北京市、天津市、河南省、山東省などの広い地域で、砂嵐や強風、雹を伴う激しい天候に見舞われ、その破壊力の大きさが話題となっています。多くのネットユーザーが現場の映像をSNSに投稿し、「まるで世界の終わりのようだ」と驚きの声を上げました。

 「抖音」では、複数のユーザーが陝西省西安市の強烈な砂嵐の様子を撮影した映像を公開しました。あるユーザーは、自動車で陝西から山西へ向かう途中、黄河を渡る地点で激しい砂嵐に巻き込まれ、「黄砂が空を覆い、昼間でも太陽が見えない」と語りました。映像には、視界が著しく悪化する様子とともに、そのユーザーが「何も見えない」と嘆く声が記録されています。

 山西省運城市でも同様に砂嵐が発生し、街全体が風の唸る音に包まれ、人々に恐怖を与えました。映像には、通りに倒れた電動バイクや、強風に押されてまっすぐ歩けない歩行者の姿が映し出されています。あるネットユーザーは「昨日、運城には何か冤罪があったのか?天地が怒っている」「成都から運城に戻ってきたところ、母から『隣の村でトタン屋根が吹き飛ばされて人が亡くなった』と聞かされた」と語り、「本当に恐ろしくて震えた」とのコメントも見られました。

 山東省済南市では、夕方に砂嵐、雷雨、強風、雹といった複数の災害レベルの気象が同時に発生し、街全体がまるで「終末の逃避行」のような光景となりました。ネット上には「まさか労働節(中国の祝祭日)の前日にこんなことが起きるとは思わなかった」という声も上がっており、車内で撮影された動画では「こんな砂嵐、生まれて初めて見た。信じられない!」と驚く女性の姿が映っていました。

 同日、華北平原一帯は激しい気象変動に見舞われました。陝西省、山西省、河北省、北京市、天津市、河南省、山東省など各地で北風が猛威を振るい、広範囲にわたって砂嵐が発生しました。あるネットユーザーは「済南から鄭州までの道中、ずっと恐怖だった」と語り、「今年は全国的に魔風が吹き荒れている」「本当に『路上の旅人、魂も失う』という感覚だった」「天が怒っている、庶民に道を残してほしい」「天災の前では、人間は本当にちっぽけな存在」「空が怒っているとしか思えない」「これは何かの予兆か?」「世界の終わりとは、きっとこんな感じなのだろう」といった声が相次ぎました。

 極端な気象現象はさらに範囲を拡大しています。中国気象局の発表によると、5月1日13時17分、遼寧省遼陽市の気象台は、今後6時間以内に雹が降る可能性があるとして、警報(雹橙色警報⦅II級・重大⦆)を発令しました。鞍山市の気象台も同様の警報を発出し、今後1〜2時間以内に市内で雹が降る見込みであり、同時に突風や激しい雨などを伴う荒れた天気になる可能性があるとしています。

 中国天気網によれば、5月1日には新疆、甘粛、寧夏、内モンゴル、河北省、北京市、天津市、山東省、遼寧省などの地域で砂嵐と強風が予測され、広範囲で強風(木の枝が揺れ、傘がさしにくくなる程度)、局地的には猛烈な突風・暴風(立っているのが困難なほどの風)が吹くとされています。また、広東省、海南省、雲南省などの南部地域では、局地的に激しい雨または豪雨が予想されています。

 さらに、季節が春であるにもかかわらず、雪の予報も出ています。5月1日20時から3日20時にかけては、新疆、西蔵、青海省、四川西部、内モンゴルなどの一部で少雪から積雪、あるいはみぞれの天気となるほか、黒竜江省、新疆、雲南省、貴州省、広東省などの地域では25〜35ミリの大雨が見込まれています。加えて、西北部や華北の一部地域ではやや強い風(髪が乱れ、看板などが揺れるレベル)が吹くとされています。

 近年、中国では極端な気象現象の頻度が明らかに増加しており、「6月に雪が降る」ような異常気象も珍しくありません。特に2025年に入ってからは、砂嵐、暴風、雹などの災害が相次いで発生し、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。ネット上では「最近の天気は明らかにおかしい」「これはまるで天が怒っているようだ」「自然の前では人間の無力さを思い知らされる」といった声が広がっており、不安の声が強まっています。

(翻訳・吉原木子)