6月に入り、中国各地で異常気象が相次いでいます。北部は度重なる雹や強風に、南部は記録的な豪雨と洪水に見舞われ、家屋や車両、農地に甚大な被害が出ています。
まず注目を集めたのが北京です。6月13日、大気が不安定になり、懐柔・密雲・平谷・延慶・昌平・順義・朝陽など複数の区で大雨の情報(青色警報)や雹の注意報(黄色警報)が相次いで発令されました。SNSに投稿された動画には、ピンポン玉ほどの大きさの雹が映っており、撮影者が「見てください、この大きな雹を」と驚く声も収められています。
北京で雹が降ったのは、6月に入って7日目です。2日に昌平区などで直径約2センチの雹が降って以来、市内を襲っており、4日午後には複数の区で雪のように白い雹が積もり、7日午後には慕田峪長城の周辺で30分近く降り続いた地点もありました。
風や雹の被害は北京にとどまらず、隣接する河北省にも及びました。13日午後4時過ぎ、河北省・燕郊では強風と豪雨を伴う雹が突然降り出し、広範囲で道路が冠水。燕順路は一面が水に浸かり、車の窓から這い出して避難する人もいました。住民の王さんは「大きな雹が降り、店の前は腰の高さまで浸水して、室内はプールのようです。車も動かせず、地下駐車場は完全に水没しました。排水も追いつかず、停電も起きています」と語りました。
その前日の12日には、石家荘市が激しい暴風雨に見舞われました。当局は風力10級、秒速24.5〜28.4メートルと発表しました。しかし、SNSの動画からは、それを上回る風だった可能性もうかがえます。直前まで気温33度の猛暑だったところに突然の暴風と土砂降りが襲い、多くの市民が不意を突かれました。仮設の屋根は吹き飛ばされ、道路には、なぎ倒された大木や折れた枝が、辺り一面に散らばっていました。路上駐車の車が次々と押し潰され、大木が根こそぎ引き抜かれるなど、市街地には大きな爪痕が残りました。
さらに翌13日、石家荘では大粒の雹が降りました。密集した雹が地面に叩きつけられて転がり、市民は屋内に避難して「こんな大きな雹は初めてだ」と驚いたといいます。現地メディアによると、この日は河北省の大部分で雨となり、全省15カ所の観測所で大雨レベルの降水量を記録しました。邢台市では最大風速33.4メートル、風力12級を観測したほか、石家荘や張家口など複数の地域で雹が確認されました。
北部で風や雹が猛威を振るう一方、南部では長時間の豪雨による被害が広がっています。旧暦5月5日、端午節の前後、広東省・広西チワン族自治区・福建省などで、500ミリを超える、端午節前後に集中して降る大雨、「龍舟水」が降り、13日午後から15日午前にかけて、広東省東部の潮汕地域や広西チワン族自治区・欽州などで多くの家屋・車両・農地が水没しました。
とりわけ被害が深刻なのが広東省・陸豊市です。気象台によると、13日夜から15日朝までの平均雨量は329ミリに達し、市内全校が休校となりました。住民の陳さんは「事前の警報もなく、家も車も水没して損失は計り知れません。とくに農業や養殖業の打撃は大きく、1人あたり数百万円規模(数十万元)の損失です。水が引かず、博美鎮から市街地へ向かう道路も冠水しています。ここで生まれ育ちましたが、これほどの水害は初めてです」と途方に暮れていました。
被害は周辺にも広がりました。14日未明から午前にかけて広東省東部の沿岸では記録的な豪雨となり、恵来県では複数の地点で500ミリ超を観測、陸豊との境にある山間部では最大588.7ミリに達しました。恵来県の住民は「土地が低くて水が引かず、店は膝まで浸水して家電はほぼ全滅。多くの車が水没して動かせなくなりました」と嘆き、汕頭市潮南区の林さんも「朝から路上に1メートル以上の水がたまり、路地の水もなかなか引きません。家電も水浸しで、子どもはホテルに避難させました。こうしたことは年に1、2回はあります」と話しました。
広西チワン族自治区・欽州市浦北県でも15日早朝、警戒水位を超える洪水が発生し、深刻な浸水で一部の交通が寸断されました。住民の黄さんは「水稲はすべて水没し、植えたイチゴも激しい流れに押し流されました。多くの養魚池が浸かり、八角(香辛料)の加工機材も流され、電気も水道も止まっています」と惨状を訴えました。
北京や河北で連日続く風や雹から、広東・広西の大規模な洪水まで、6月以降、中国各地を襲う異常気象は頻度を増し、各地で計り知れない被害をもたらしています。
(翻訳・吉原木子)
