4月19日午後、中国の広西チワン族自治区の複数地域で、突風と雹を伴う激しい雷雨が発生しました。河池市や百色市など一部地域では、屋根や車が雹により破損し、屋外にいた犬が死亡するなど、深刻な被害が確認されています。

 中国公式メディア・中央テレビ(CCTV)によると、当日午後、広西の百色市、河池市、賀州市などで短時間の強風、雹、豪雨が相次いで発生し、倒木により交通に支障が出たほか、一部の住宅では屋根が吹き飛ばされるなどの損壊がありました。河池市宜州区では、雹に関するオレンジ警報が発令されました。

 ネット上に投稿された動画には、商業エリアで強風が吹き荒れ、屋台や商品が飛ばされる様子が映っており、続いて大量の雹が降り注ぎ、地面が瞬く間に白く覆われていく様子が確認できます。

 河池市宜州区懐遠鎮の住民は『新京報』の取材に対し、「雹は鶏卵ほどの大きさで、10分ほど降り続きました。屋根には穴が開き、植えたばかりのトウガラシの花や実もすべて落ち、茎だけが残りました」と話しました。さらに「村では番犬として飼っていた犬が雹に打たれて死亡しました。テントが風で飛ばされ、繋がれていた犬は逃げ場がありませんでした」とも語りました。

 同様の天候は百色市右江区の大楞郷や四塘鎮でも確認され、午後5時ごろには田陽区頭塘鎮の百東ダム付近で、1時間に55.2ミリの豪雨が観測されました。

 暴風雨と雹により、百色市右江区江鳳村の川沿いでは多数の街路樹が倒れ、工場の屋根が吹き飛び、倉庫内の物品にも被害が及びました。

 百色のあるネットユーザーは「雹で車の後部ガラスが割れ、車体はへこみだらけです。修理を依頼しましたが、すでに混雑していて、予約は1ヶ月後になってしまいました」と投稿しています。

 被害状況について、河池市宜州区の緊急管理局は「現在のところ人的被害の報告はなく、財産的損害については調査中です」とコメントしています。

 同日、貴州省遵義市喇叭鎮でも突発的な大洪水が発生し、町全体が水に覆われました。地元住民からは「こんなに水が増えたのは十数年ぶりで、まるで人が生きることを許されていないようだ」といった声も上がっています。

 中国国家の警報情報センターによると、遵義市気象台は19日午前2時10分、暴雨の黄色警報をオレンジ警報に引き上げ、新蒲地区(しんほちく)では今後3時間の降雨量が100ミリを超え、今後も降り続くと予測。洪水や内水氾濫、地滑り、土石流などの災害への警戒が呼びかけられました。

 一部のネットユーザーは、喇叭鎮の浸水は上流のダムからの放流が原因だと指摘しています。

 また、喇叭鎮からおよそ600キロ離れた広西賀州市の一部地域でも同日、大雨と雹が降り、最大降雨量は101.8ミリに達しました。家屋の損壊や車の窓ガラスの破損など、各地で大きな被害が発生しています。

 こうした自然災害とその影響について、中国の公式メディアによる詳細な報道は、現時点では確認されていません。

 中国水利部によると、今年の洪水シーズンは3月中旬からすでに始まっており、これは例年より17日早い開始だとされています。

(翻訳・吉原木子)