中国国家統計局の発表によると、2024年末時点での中国の総人口は14億800万人とされ、2023年と比べて139万人減少し、人口の自然増加率は-0.99%でした。公式の統計を見る限り、人口減少の幅はそれほど大きくないように思えます。しかし、民間の観察やインターネット上の議論では、まったく異なる光景が広がっています。多くの動画や投稿では、都市や商業施設が閑散とし、かつての賑わいが消えたことが指摘されています。さらに、地方の村々でも人影がまばらになり、多くの人々が「中国の人口は本当に14億人もいるのか?」と疑問を抱いています。

 ネット上に投稿された動画では、北京、上海、広州、深圳などの主要都市だけでなく、福州、東莞、寧波といった都市でも街の人通りが激減し、商業施設の客足も大幅に減少している様子が確認されています。

 北京の住民は、「例年なら旧正月明けには北京への帰省ラッシュがピークを迎えるはずなのに、今年は賃貸物件が空室だらけで、通勤時間帯の交通量も明らかに減っている」と述べています。

 上海でも、「旧正月が終わっても、地下鉄の乗客数は少なく、商業施設も閑散としている。かつて活気のあった繁華街では、多くの店舗が閉店してしまった」との声が上がっています。

 広州の住民も、「14年前、私は広東省でアパレル業を始めたが、その頃は週末や祝日になると街は人で溢れ、夜市も深夜2~3時まで賑わっていた。しかし、現在は真夜中になると街は静まり返り、夜市も早々に閉店してしまう。賃貸市場も同様で、かつては空き物件を見つけるのが難しかったが、今では選び放題の状態だ」と述べています。

 蘇州の住民も、「かつては大通りや商業施設が人で溢れていたのに、今は驚くほど閑散としている」と語っています。済南では、「900万人の人口を抱える都市なのに、街中にはほとんど人影がなく、店舗も閑古鳥が鳴いている。一体、人々はどこへ行ってしまったのか?」と疑問の声が上がっています。

 武漢の住民も、「以前は光谷のロータリーでバスに乗るのも一苦労だったし、春節の帰省ラッシュでは列車に乗るために窓からよじ登る光景すらあった。しかし、今ではバスや地下鉄に乗ってもゆったり座れるほど空いている」と証言しています。

 この現象は都市部だけに限らず、地方の農村でも同様に顕著です。ある村の住民は、「都市部が閑散としているのは、旧正月の帰省の影響だと考えられるが、なぜ農村部までもがこんなに静まり返っているのか?中国には本当に14億人もの人口がいるのだろうか?もしそれが事実なら、一体どこに行ってしまったのか?都市にも村にも姿がないのなら、一体どこに消えたのか?」と不安を口にしています。

 新型コロナウイルスの流行以来、中国の死亡者数は依然として不透明なままです。2022年、中国民政局が発表した四半期ごとの統計データから、従来公開されていた火葬数のデータが突如削除され、当局はその理由について一切説明していません。このことから、中国国内の死亡者数に関する公式発表には疑問が持たれています。最近では、イーロン・マスクのAI推論モデル「Grok 3」が、中国の年末消費データ、公共交通機関の利用状況、GDP成長率、失業率などの統計をもとに、中国の人口が過去3年間で1.5億~2億人減少したと推計しました。

 この数字は、政府の公式発表よりもはるかに大幅な人口減少を示しています。また、2022年には上海公安局のデータが流出し、中国の実際の人口が10億人程度である可能性が指摘されました。中国政府による情報統制、長年にわたる統計の捏造、不透明なデータ管理の影響により、中国の本当の人口規模を正確に知ることは困難な状況です。

 一部の学者や経済専門家は、異なる角度から中国の人口減少を推定しようとしています。例えば、日本の経済学者は、中国国内での塩の消費量を基に推計を行いました。その結果、食用塩・工業用塩のいずれにおいても消費量が約10%減少していることが判明しました。塩の供給が十分にあるにもかかわらず、消費量が大幅に減少する要因は二つしか考えられません。一つは、国民の食生活が大きく変わり、塩分摂取量が著しく減少した可能性。もう一つは、人口そのものが急減した可能性です。しかし、近年の中国の食文化はむしろ塩分摂取量が増える傾向にあり、四川料理、湖南料理、東北料理などの塩辛い料理が人気を博しています。そのため、食生活の変化による影響よりも、人口減少による影響の方が大きいと考えられます。

 さまざまな証拠から、中国の人口減少は政府の公式データよりもはるかに深刻であることが示唆されています。こうした疑問が高まる中、「中国の人口は本当に14億人もいるのか?」という問いが、ますます現実味を帯びています。ここ数年、都市部の閑散とした様子、地方の人口流出、各種経済指標の変化など、民間での実感と政府の発表する統計との間には大きな乖離が生じています。街の様子、インターネット上の映像、経済データ、さらには塩の消費量といった視点からも、中国の人口が大幅に減少している可能性は否定できません。もし本当に14億人が存在するのであれば、一体どこに行ってしまったのか?この疑問に対する答えは、依然として明らかになっていません。

(翻訳・吉原木子)