最近、X(旧Twitter)で、角が光るトナカイの写真が拡散し、大きな話題になっています。そのトナカイの目も光によって不思議に輝いており、ネットユーザーたちは驚きの声を上げています。「合成じゃないの?めっちゃクール!」「もしかして突然変異?」「まるで映画のワンシーンみたい」など、様々なコメントが飛び交いましたが、実はこの光は、フィンランド政府が野生トナカイの保護のために、角に反射塗料を塗ったことが原因だったのです。
動物保護計画ーー暗闇で発光するトナカイの角
北欧は絵画のような美しい風景で有名です。鬱蒼とした針葉樹林、鏡のように静かな湖、古風な木造の家、そして至るところで見かける野生動物。人間は自然と共存し、この土地の恵みを分かち合っています。しかし、この人間と自然の共存は、夜間の自動車事故で多くの野生トナカイが犠牲になるという問題もあり、同時に、運転者にとっても危険が伴います。
フィンランドの狩猟と漁業研究所によると、毎年約4,000頭のトナカイが交通事故で命を落としています。この問題に対処するため、フィンランドのトナカイ飼育協議会は2014年から、トナカイに害を与えることなく、暗い道路で安全に移動できるように、特別な発光塗料の開発に着手しました。その後、トナカイの位置情報をアプリで報告することで事故を減らすためのトナカイ追跡アプリも開発されました。
In country like Finland, reindeers frequently meet road mishaps with trucks or cars.
To avoid this government took a decision to paint deer’s horn with reflective paints.
Due to these paints , horns get seen from long distance by motorist in dark hours. pic.twitter.com/nZErxgEuWi
— Tun Fazel 🇲🇾 (@FAZHAJAZ) July 13, 2021
家畜保護計画ーー全身光るポニー
フィンランドのトナカイに注意する一方で、イギリスのデボン州ダートムーアでは、夜間に光る神秘的な小馬にも気をつけましょう。ダートムーア国立公園には、小柄な体格から「ポニー」と呼ばれる魅力的な矮種馬が数多く生息しています。これらのポニーは、一般的な馬よりも厚い毛皮を持ち、脚も短いのが特徴です。ダートムーアポニーは、イギリスで3500年以上前から生息していますが、近年、車との衝突による死亡事故が急増しています。地元の家畜保護官によると、昨年3月の8日間だけで、ダートムーアでは7頭のポニーが車両に衝突し、そのうち5頭が死亡しました。これは過去に例を見ない短期間での多発事故です。
この悲劇的な問題を解決するため、ダートムーア家畜保護協会(DLPS)は、フィンランドのトナカイに反射塗料を塗布するプロジェクトから着想を得て、ポニー、牛、羊などの家畜にも同様の試みを始めました。特に、ポニーには青い反射塗料を塗布することで、夜間走行中の車のヘッドライトに反射し、ドライバーに動物の存在を知らせ、速度を落とさせることを目指しています。過去には、ポニーに反射材のついた首輪をつける試みも行われましたが、動物の動きによって首輪が外れてしまうことが多く、効果が期待できませんでした。しかし、反射塗料であれば、体全体に塗布できるため、より効果的にポニーを守ることができるでしょう。
(翻訳・宴楽)