中国都市部の高級住宅市場も一般の住宅市場と同様に、多くの物件が売りに出され、価格が急速に下落している。

 中国の住宅販売サイト「Lianjia.com」によると、上海の高級住宅の売り出し物件数が最近急増しているという。その中で、「世貿滨江花园」という高級住宅エリア では現在235戸の物件が売り出されており、8年ぶりの最高記録を更新した。このエリアは「アジア最高」と称される超高級な水辺の住宅地であり、昨年はわずか83戸の物件が売り出されていた。

 さらに、上海の高級住宅市場の指標とされている「翠湖天地」でも、現在の売り出し物件数は135戸に達している。また、黄浦江沿いに位置する最高級の住宅エリア「融創滨江壹号院」でも、50戸近くの物件が売り出されている。

 売り出し物件数以上に市場を刺激しているのは、価格の下落だ。最近では、多くの物件で明らかな価格の引き下げが見られている。例えば、雲錦東方、陸家嘴壱号院、露香園などの高級住宅プロジェクトでは、売り出し価格が100万から500万元(1971万円~9855万円)まで引き下げられている。

 現在、全国各地の高級住宅市場が低迷していることは、不動産への投資の自信の欠如が極めて深刻な状況に至っていることを反映している。

(翻訳・吉原木子)