(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 炎天下、エアコンの冷気は一時的には気持ちが良いものですが、冷やし過ぎは「冷房病」を招きますので、ご注意です。

 「冷房病」は「空調症候群」とも言い、厳密に言えば、医学的に定義された病気ではなく、社会学によって診断された現象です。空調症候群とは、空調環境に長時間いることで発症する、眩暈、関節痛、喉の不快感、鼻詰まり、食欲不振などの一連の不快症状のことです。エアコンが原因で誘発する病気なので「冷房病」と呼ばれています。個人個人の体質が異なるため、人によって現れる症状も異なります。特に高血圧、冠状動脈性心臓病など心血管疾患や脳血管疾患などの基礎疾患がある方は、心筋梗塞を引き起こしやすくなっています。

 暑い室外からいきなり、エアコンの設定温度の低すぎて冷気が充満している室内に入ると、室内と室外の急激な温度差により、眼底の血管収縮異常や眼底出血が起きやすいです。網膜血管疾患を患うと、短期間で視覚細胞に不可逆的な損傷を引き起こし、視力損傷ひいては合併症による失明にいたることさえあります。

 また、エアコンの汚れを長期間放っておくと、レジオネラ菌が繁殖しやすくなります。エアコンの送風のプロセスで、レジオネラ菌がエアロゾルの形で空気中に拡散します。それが人体に吸入された場合、一連の肺疾患の症状が起きることもあり、「空調肺(換気装置肺炎)」としても知られています。特に、高齢者や子供など、呼吸器系の機能が比較的弱い人たちは、細菌に感染しやすい傾向があります。

 では、エアコンを健康的に使うにはどうすればよいでしょうか?ここでは、4つのコツをご紹介します。

1.最適な冷房温度は28

 一般的に、室内の冷房の最適温度は28度といわれています。また、体温調節の中枢に負担をかけないためには、室内と室外の温度差は8度を超えないことが理想的です。

2.風向に注意

 エアコンのスイッチを入れると、冷気は下方向に行きます。そのため、風向きを上方向にすることで、直接冷風が身体に当たらないようにしましょう。背後からの冷風が背中や腰に当たると、正面からの風よりも、人体に大きなダメージを与えるため、エアコンの近くにいる人は、エアコンに向かって座った方がいいでしょう。

3.すぐにエアコンをつけない

 外から入室する際には、正常な血行の妨げや血管の病気を誘発しないためにも、すぐにエアコンのスイッチを入れず、ドアや窓を開けたままにし、その後エアコンのスイッチを入れ、空気が循環するのをしばらく待ってからドアや窓を閉めてください。毎日の定期的な換気も有効です。

4.清潔を保つ

 家庭用エアコンの汚染は非常に深刻で、細菌数が最もひどい場合、標準的な細菌数の約100倍にもなることがあります。このような環境での長期間の使用は、どんな人間でも非常に病気にかかりやすくなります。エアコンは1~2ヶ月ごとに掃除し、エアコンのパネル、コンセント、フィルターを特に注意して掃除されるとよいでしょう。

 以上、エアコンにまつわる豆知識を紹介しました。暑い日がまだまだ続きそうですが、正しくエアコンを使い、快適なだけでなく、健康的な夏を楽しみましょう!

(翻訳・夜香木)