汕頭市内の複数の地域が2日夜、浸水し、停電した。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 強い熱帯低気圧の3号台風が2日午後、中国広東省に上陸した。広東省汕頭市(すわとうし)は暴風雨により、水害に見舞われた。

 汕頭市内の複数の地域が2日夜、浸水し、水位が腰の高さまでに達し、停電した。街中の車はほとんど水没し、ボートを漕いで移動する人もいた。

 ある市民は記者の取材に対し、「雨は一気に降り注ぎ、全く排水することができないので、多くの場所が冠水した。場所によっては、胸のあたりまで水位が上がっているところもあった。大雨の後、すべての商品が値上りした」と述べた。

 汕頭市潮陽区大坑村の被害は特に深刻で、水位が2メートルに達する地域もあった。大坑村の電器店のオーナーは記者に、「夜7時過ぎから雨が降り始め、8時には大変なことになった!これまで、こんな大雨を見たことはなかった。私の店では小型の電化製品を扱っているが、商品はすべて水に浸かっていて、水は1メートルの高さもあって、被害額は数万元(約数十万円)に登る」と語った。

 電器店のオーナーは、急激な水位上昇は人災によるものだと考えている。「排水路がふさがっているに違いない。私たちのところでは高速鉄道が建設中で、鉄道がまだできていないので、近くの排水口が全部塞がれている。雨水があっという間に来て、排水できず浸水してしまった!」

 中国の都市排水システムは、雨水管の流量が全体的に少ないため、急激な降雨時に排水が悪くなり、大雨時に市街地が浸水すると言う市民もいる。

 また、中国の多くの市民の話によると、多くの都市で街路を作る際、建設会社は金儲けのために、道路の平地に排水格子を付けるだけで、実質的な排水システムを構築していないという。このような都市部では大雨に見舞われると、住宅ビルの地下室が浸水してしまう。これらの建設会社は、事前に地元政府関係者に賄賂を渡していたため、これまで政府から罰せられた建設会社は1社もなかった。資金力のある建設会社を前に、地域住民は個人的に建設会社に対して法的措置を取ることができない。

(翻訳・藍彧)