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 ある日、ある人は自分の人生を諦めようと決めた。そこで、森に行って神様と最后の会話をすることにした。
「神様、私にあきらめさせない理由をひとつくれませんか」とその人は訊ねた。

 神様は、「山ワラビと竹を见て回りなさい。私は山ワラビと竹の種をまき、それらに光と水を与えた。山ワラビは、すぐに地面から生え、茂った緑の葉が地面を覆った。しかし、竹は全く生えなかった。
翌年、山ワラビはさらにこんもりした。竹の種からはまだ何も生えていなかった。
2年が過ぎたが、竹の種はまだ芽を出さなかった。
5年目になると、小さな芽が地面に現れた。山ワラビに比べれば、取るに足りないほどだった。
しかし、わずか6ヶ月後、竹は高さ100フィートになった。
竹は根を伸ばすのに5年の歳月をかけた。そして竹の根は竹が成長するのに欠かせない存在となった」

 神様は、その人に言った。「子供よ、お前がここで苦しんでいるのは、自分の根を育てているからだ。他人と比較せずに我慢していけば、いつかはあなたが成功する日が訪れるでしょう」

(翻訳・柳生和樹)