人権弁護士マタス氏(Alexander M. Hamrle/The Epoch Times , CC BY 3.0 , via Wikimedia Common)

 欧州、米国、アジアの5つの非政府組織(NGO)が共同で主催する「生体臓器摘出の阻止・撲滅に関する世界サミット」(以下、「反生体臓器摘出世界サミット)開催2日目の18日、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏、スペインの人権弁護士カルロス・イグレシアス氏、ソウル行政裁判所判事キム・ソン氏などの法律専門家が出席した。生体臓器摘出は人類史上前代未聞の罪であり、中国共産党(以下、中共)は法輪功学習者に対して、ジェノサイドおよび人道に対する罪を犯しており、この犯罪は現在も進行中であり、国際社会の対応はまだ不十分だと、専門家らが指摘した。そして、現行のマグニツキー法を活用し、このような犯罪の発生を防ぐ国内外の協調への取り組みを要請した。

 マタス氏は、中共が臓器を入手するために良心の囚人を大量殺戮した証拠は、2006年にすでに出されていると明かした。中共政権が主導し、中国の刑務所、軍病院を含む政府病院において、制度化して利益を出している。被害者は主に、中共によって恣意的に拘束されている法輪功学習者を含む良心の囚人である。その家族は被害者がどこに拘束されているのか、ひいては拘束されていることすら知らない場合もある。

 マタス氏によると、中共が良心の囚人から大量に臓器を摘出する目的は2つある。中共が政敵とみなす者を無くすことと、それによって利益を得ることである。

 中国問題の人権弁護士であり、江沢民告訴案件の原告を代表するスペインのカルロス・イグレシアス弁護士は、中共による法輪功学習者への「生体臓器摘出」は想像し難い残虐行為であると述べた。

 中共は、法輪功学習者の信仰を破壊するために彼らの体を消滅し、さらに臓器に値段をつけ、被害者の臓器を移植している。このような残虐な行為で金儲けし、同時に利益を利用してすべての中国機関を巻き込み、国際社会に共犯者と同様に黙らせている。「人類として容認できない、無視できない残虐行為」であると、同氏は指摘した。

 そのため、「世界は目覚めなければならない。すべての善良な人々、思いやりのある人々、人間としての価値観を理解している人々は立ち上がり、人類を無知から目覚めさせるべきだ」と、同氏が呼びかけた。

 ソウル行政裁判所のキム・ソン判事は、中共の激しい権力闘争で官僚が中国から逃げ出さざるを得ないため、入国禁止と資産凍結命令を含むマグニツキー法は、中共の生体臓器摘出の犯罪に関与した官僚を処罰するのに非常に有効であると述べた。

 国際社会はマグニツキー法を活用する際、この問題に関する国際刑事司法の協調を見落さず、「制裁は今できる最小の措置に過ぎず、先はまだ長い」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)