(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 豊富な資金力を武器にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を2度制覇し、中国スーパーリーグも8回優勝した強豪チーム・広州FC(前・広州恒大)は、親会社である恒大集団の経営危機によって、クラブが再編され、監督と所属の帰化選手も去る可能性があるとの報道が出ています。

 中国「新浪網」の15日付は、米ブルームバーグのある情報筋として、広州政府は、政府に支援を求めていた広州FCに、株式の10~15%を広州政府が、残りはある地元政府企業が取得するという案を提示したと報じました。つまり、同チームは地元政府に所有され、早ければ恒大集団は来月から正式にクラブ運営から手を引くだろうと報じました。「サッカー新聞」は、同チームで監督を務める元イタリア代表のカンナバーロ氏も、現在休暇中のイタリアから中国に戻らないと報じました。

 広州FCには6人の帰化選手がおり、カタールW杯出場を目指す中国代表のFWエウケソン選手も含まれています。中国の報道によると、この6人の年俸は税抜きで最低でも4900万ユーロ(約64億円)に上るそうです。ネット上では帰化選手の年俸を下げれば、中国代表から去っていくのではないかと懸念の声がありました。

 報道によると、(前)広州恒大と上海申花の両クラブは5年間で120億元(約2000億円)というケタ外れの巨額を投じ、金に糸目を付けずに名選手を買いあさっていました。しかし、今回の親会社の経営不振などで、こうした中国サッカー業界の金満経営は長く続けられなかったようです。2020年中国スーパーリーグ(CSL)の王者・江蘇FCが2月末にクラブ運営停止を発表しました。昨年には1〜3部の合計16チームが解散したという報道も出ており、事態は想像以上に深刻のようです。

(新時代Newsより転載)