ギリシャのサモス島(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 ギリシャのサモス島付近では13日、飛行機の墜落事故が発生した。イスラエル当局は14日、同事故の犠牲者がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ前首相の裁判の証人であることを確認した。ギリシャ政府は調査を開始した。

 複数のメディアによると、ハイファを離陸したセスナ182型単発機が、目的地であるサモス島に到着する直前に突然レーダーから姿が消え、地元の漁師が2回の爆発音を聞いたという。墜落の残骸は空港から南約2キロのところにあった。

 イスラエル政府は14日、同機に搭乗して亡くなったのは、テルアビブ出身のハイム・ギロン氏とエスター・ギロン氏夫婦(ともに69歳)であることを確認した。イスラエル通信省の元副長官であるハイム・ジロン氏は、ネタニヤフ氏に対する裁判で証言する予定であった。

 ネタニヤフ氏は、2019年11月に詐欺、収賄、背任の容疑で起訴されたことで、政権への圧力に直面していたという。同氏は、イスラエルの通信会社「ベゼック」に関連した汚職や、億万長者の友人から贈り物を受け取ったことなどで告発されていた。

 2020年5月24日、エルサレムのイスラエル地方裁判所は、イスラエルのネタニヤフ氏を収賄、詐欺、背任の罪で告発する裁判を開始した。ネタニヤフ氏は、有利な報道と引き換えに、、メディアの責任者らに規制上の便宜を図ったとして告発された。収賄で有罪となった場合、彼は最高で10年の懲役、詐欺と背任では最高で3年の懲役となる。

(徳永木里子)