フィリピンのドゥテルテ大統領(Public domain, via Wikimedia Commons)

 フィリピンのドゥテルテ大統領は14日、南シナ海の領有権問題について中国共産党(以下、中共)に対し、フィリピンは紛争地域から艦船を撤退させず、北京との関係を危うくしても中共の圧力に屈しないと述べた。

 今年3月初め頃、中共が220隻の民兵船を派遣してフィリピンの海上排他的経済水域(EEZ)に侵入し、フィリピンからの抗議を何度も受けた。しかし、中共は譲歩するどころか、船の数を287隻に増やした。

 これを受け、4月にはフィリピン沿岸警備隊と漁業局が、EEZや紛争中のスカボロー礁(中国名:黄岩島)付近で海上演習を行った。中共はすぐに、フィリピンが状況を複雑化にしてエスカレートさせるような行動を止めなければならないと発言した。

 ドゥテルテ大統領は14日、「我々には我々の立場がある、ここでもう一度言明する、そこにある我々の船は1歩も引き下がらない。中共とトラブルになるのは避けたいが、双方がそれぞれの立場を尊重しなければならない」と強調した。

 フィリピン軍のシリリト・ソベジャナ司令官は10日、CNNとのインタビューで「我々の目標は、中共の海上民兵やその他の中国船を我々のEEZから追い出すことだ」と語った。

(翻訳・徳永木里子)