中国浙江省杭州市の住民がこのほど、住宅の庭でヒョウらしき生きものを発見したと警察に通報したが、現地の「杭州野生動物世界」(動物園)は逃げた動物がいないとした。杭州市当局は8日、園からまだ幼い3頭のヒョウが逃げ出し、すでに捕獲されていると発表した。

 複数の中国メディアによると、「杭州野生動物世界」から数日前に逃げ出した3頭のヒョウを、杭州当局が大勢の人を派遣して捜査し、8日に捕獲した。そのうち1頭は公式の捜索救助犬に噛み殺され、1頭は麻酔銃で捕獲され、残りの1頭も捕獲された。

 現場周辺はほぼ別荘地で、住民はお年寄りや子供が多く、夕食後に周辺の道路を散歩し、遊ぶのが好きな人が多いという。

 中国メディアによると、5月初めに園周辺でヒョウが繰り返し目撃され、そのうちの1頭が住民の別荘の敷地内に侵入したこともあった。住民は数回地元政府に通報し、多くの人が写真や動画を撮影してネットに投稿した。しかし、園側はヒョウの逃げ出し事件を隠蔽しただけでなく、同事件がメディアに注目された後も、否定し続けた。

 園は当局に即時営業停止を命じられ、8日に声明で謝罪し、「逃げ出したヒョウがまだ幼く、攻撃性が弱いことを考慮し、住民のパニックを引き起こすことを心配したため、公表しなかった」と弁解した。

 多くの公式メディアが、園の管理不行き届きと隠蔽について責任を負うべきだと訴えている。ネットユーザーは園の動きは中国共産党公式の慣行である「隠蔽」に沿ったものだとコメントした。

(翻訳・徳永木里子)