中国湖北省武漢市で近年大学生が失踪する事件が相次いでいる。失踪した学生はまるで人間蒸発したかのように、ばったりと連絡が途絶えてしまう。東北出身で武漢大学に通っている大学2年生の周良雨さん(男性)が4月28日夜に失踪して音信不通になった。武漢市ですでに数百人の大学生が行方不明になっているため、周さんの家族は非常に心配しており、ネットで尋ね人を掲載した。

 ネットユーザーが情報シェア 臓器摘出の疑い

 あるネットユーザーがウィーチャットのグループに送ったメッセージによると、身長1.75メートルで、体重105キロある東北出身のがっしりした体型の男子学生周良雨さんが数日前に行方不明になり、音沙汰がなくなった。同学生は知り合いからの電話を受け取った後、寮を出たきり行方不明になってしまった。近年に失踪した大学生と状況が同じだ。同ネットユーザーは武漢での臓器移植手術が有名であることや、あれほど多くある監視カメラがなぜ作動しないのかといった疑問を挙げた。「がっしりした周さんは選ばれたのだ。身体検査を避けるか、病気を患っているほうが安全かもしれない。ここ十年間、いったいどれほどの大学生が消えたのか、しかも皆他県からの学生で、武漢現地の学生がほとんどいない。よく考えたらとんでもないことだ」

 一部のネットユーザーは、武漢が世界臓器移植の「知名都市」になるにつれて、大学生たちが神隠しに遭っているとの見解を示した。しかも町中に点在する監視カメラでも見つからない。

 2017年9月、『考えれば考えるほど恐ろしい!武漢30名余りの大学生がなぜ神隠し』というタイトルの文章がネット上で話題を呼んだ。同文章には近年数十人、武漢で失踪した大学生の情報を並べ、現地大学生と保護者の関心を惹きつけた。筆者は、失踪した大学生がマルチ商法、拉致、宇宙人による連行などの原因を分析した結果、以上のどれにも属さず、「大学生の神隠しは未だに謎である」という結論を出した。しかし、当局はすぐにデマを流したという理由で同筆者を拘束した。

 行方不明の大学生は増え続けている、ここ数年の失踪人数はすでに数百人に及んだ。武漢では平均3カ月に1人の大学生あるいは若者が行方不明になっている。しかし、いったいどれだけの大学生が失踪したのか、当局は具体的な数値を出していない。武漢の警察署は、消息不明になったのはすべて成人であり、自分の行動を主導する権利があり、拉致あるいは他殺の明らかな証拠を除いて、人口失踪として立案することが難しいとしている。

 当局の無作為は、失踪者の家族にとって心苦しい。臓器摘出ではないかという懸念も浮かび上がった。2014年12月31日大晦日に音信不通になった、武漢科学技術大学生物工学科4年生の肖鵬飛さんの父親は「数十人の行方不明者に共通するのは、20歳前後で、身長が180センチぐらい、長江大橋付近で姿を消している」と明かした。失踪者チャットグループの保護者は「子どもの臓器を盗み取って、遺体を処分した可能性がある」と疑っているという。

(翻訳・北条)