Bình NguyễnによるPixabayからの画像

 中国農業農村部によると、ヒアリ被害が最近、中国の12省で確認されたという。ヒアリは農業生産にとって深刻な脅威であるだけでなく、人にも大きな害を及ぼす。

 ヒアリは農業・医療害虫で、南米のパラナ川流域から源を発して、ラテン語で「無敵のアリ」を意味し、防除が難しいことからこの名がついた。食性が複雑で、習性が獰猛(どうもう)な上、繁殖が速く、競争力も強いなどの特徴があり、世界で最も破壊的な侵略生物100の1つとされている。2004年、中国で初めてヒアリが発見された。

 中国農業農村部公式サイトの情報によると、商品輸送量の増加や適した気候条件などの要因により、近年、中国でヒアリの活動範囲が拡大しており、現在中国の12の省に広がっている。

 ヒアリは、大豆、トウモロコシ、野菜、柑橘類など50種類以上の作物に直接被害を与え、被害の大きい地域では、大豆の収穫量が20%以上、インゲン、落花生、ジャガイモの収穫量が30%以上減少した。

 ヒアリは人に危害を加えることもある。 近年、人や動物が刺された被害が各地で発生している。ヒアリは、強靭な顎を持っており、皮膚を挟まれれば、片手で振り払うのは困難である。ヒアリの尾にある毒針は、人を刺した後に毒を放出するが、その中には水溶性のタンパク質やアントラニル酸、アルカロイドなどが含まれており、刺されると灼熱の痛みを感じ、めまい、頭痛、激しい胸痛、吐き気、重度の発汗、低血圧などの症状が現れ、ひどい場合はアレルギーを起こし、ショック死することもある。

(翻訳・藍彧)