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 ワクチンの接種が始まって以来、多くの被接種者に激しい頭痛、発熱、下痢、倦怠感などの副反応が見られます。不快感を減らすために、一部の人は接種の前後に鎮痛剤を服用しています。しかし、医者によると、鎮痛剤を服用する際には、服用する薬の種類やタイミングに注意しなければ、ワクチンの効果が抑えられる恐れがあります。

 アメリカ・バージニア州在住の中国系女性のキャシー(Cathy)さんは先日、ワクチン接種後の自身の反応を『看中国』に語りました。2週間前にワクチン接種を受けたキャシーさんは、最初の一週間は、接種を受けた腕のあたりに少しだけ痛みを感じた以外に、違和感はありませんでした。しかし、その一週間後、全身の筋肉と骨の痛み、発熱、咳などの症状が出はじめました。「ひどい風邪でも引いたようでした。最もひどかったのは頭痛で、頭をハンマーでずっと叩かれているかのようで、本当に辛かったです」とキャシーさんは言ました。この症状は数日間続いており、痛みを和らげるため、キャシーさんは毎日強い鎮痛剤を服用していました。

 一方、海外の中国語メディアによると、ある中国系住民は予防接種を受けた後全身が筋肉痛になりました。痛みを和らげるため、普段服用している関節炎用の鎮痛剤「デカトロン(Decadron)」を服用したところ、激しい副反応が出て、病院に緊急搬送されました。幸い、大事には至りませんでした。

 米シダーズ・シナイ病院(Cedars-Sinai Medical Center)の麻酔科、ペインセンターの中国系医師・林永健氏によると、同僚の医師の非公式観察の結果を見ると、ワクチン接種後に副反応が現れる確率は70%―80%で、公表の数字よりも高かったです。症例の詳細が不明のため、このような深刻な不快感がなぜ生じたのか説明が出来ません。

 昨年から、「デカトロン」は症状が深刻な感染者の治療によく使用されました。「デカトロン」はウイルスに対する体の強烈な反応を和らげることができるため、ワクチン接種による副反応の軽減が出来るはずですが、その反面、ワクチンの効用も同時に軽減してしまいます。

 一部の鎮痛剤がワクチンと反応して、「免疫抑制」が発生するのだと、林医師は強調しました。つまり、鎮痛剤はウイルス抗体の活性を抑制し、体の免疫力を抑え、ワクチンの有効性を低下させてしまいます。すべての鎮痛剤が免疫反応を抑えるため、予防接種を受ける前には、鎮痛剤の服用を控えるように、林医師は勧めています。

 米連邦疾病予防管理センター(CDC)のワレンスキー(Rochelle Walensky)主任は、直近の記者会見で、「炎症に対する一部の鎮痛剤は、免疫反応を抑制する可能性がある」と述べました。『ウイルス学雑誌』に掲載されたネズミを対象に行われた研究によって、これらの薬剤は抗体の活性を抑制する可能性があることがわかりました。

 また、予防接種を受けた翌日に、腕の腫れや痛みが増した場合や数日たっても副反応が消えない場合は、速やかに医師に相談するようにと、同センターは強調しました。

(看中国記者・蘇菲/翻訳・清瑩)