1月11日夜、河北省廊坊市のPCR検査所に来ていた住民が行列の途中で突然倒れ、救急隊員が駆けつけて救助した。(イメージ:ツイッター動画のスクリーンショット)

 最近、中国北部の多くの省や都市で大規模な感染が発生しており、当局の防疫対策により、感染者は体の苦痛を耐えているだけでなく、個人情報の漏えいによる差別やいじめをも受けている。

 中国メディア「氷点週刊」はこのほど、河北省石家荘市藁城区(こうじょうく)曽村鎮の男性(34歳)大型トラック運転手が、1月13日にPCR検査の結果、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)陽性だったと報じた。彼は14日以降、河北省、内モンゴル、山西省などから100件以上の電話を受け、彼の個人情報や行動ルートなどを尋ねられたという。彼のいとこは、濃厚接触者として同様に電話を数十件も受けていた。

 2人の名前、身分証番号、携帯番号、車のナンバーなどの個人情報もWeChatグループに拡散されていた。30年以上真面目に生活を送ってきた彼は、「指名手配犯のようにネットにかけられている」と述べた。

 四川省成都市の趙さん(20代女性)は、昨年12月7日に新型コロナウイルスに感染したと確認され、現地政府は8日、彼女の行動ルートを発表した。その後、彼女の名前、年齢、身分証番号などの情報がネットに投稿された。過去14日間に公園、ネイルサロン、レストラン、バーなどを訪れたことで、ネット上での言葉の暴力を受け、彼女の私生活を厳しく批判され、家族も悪罵された。

 米国の人道主義組織「ヒューマニタリアン・チャイナ(人道主義中国)」の共同設立者である周峰鎖氏は、中国共産党の強権的な支配下で、国民には尊厳も自由もプライバシーもない、個人の人身安全、財産及び名誉はいずれも勝手に侵害され、当局は防疫を口実にして、国民の権利を侵害している、と「ボイス・オブ・アメリカ」に語った。

 北京の有名な民主化活動家の胡佳氏は、個人情報が流出して社会から広く差別される苦痛など、防疫に協力したことで他の苦痛を感じさせるべきではないと述べた。

 中国共産党の乱暴で強制的な封鎖措置は、個人情報の流出による被害だけでなく、多くの地域や戸口が封鎖され、さらには家の中で食料が断絶されて飢餓状態に陥り外出時には強制的に木に縛られ、昨年は武漢から強制的に両親が隔離されたため、幼い子供が家で死んでしまうという噂が流れた。

(翻訳・藍彧)