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 中国の最新国勢調査の結果はすでに出ているものの、データがあまりにも衝撃的だったため、中国共産党当局はあえて発表しなかったという疑惑が出ている。

 12月23日、Mr.Keyと名乗るネ(トユーザーはツイッターで、中国の第7回国勢調査の人口は14億人ではなく12億7千万人だと暴露した。データの結果があまりにも衝撃的だったため、中国共産党当局は公表せず、「データ改ざん名人」がデータを修正してからでないと公表できないという。その上、中国の人口は現在も引き続き減少しており、この傾向はこれから10年以上続くだろうとの見方を示した。

 このほかにも、高齢人口の急増と出生率の急速な低下という2つのデータも、中国共産党政府が絶対に公表したくないとMr.Keyは指摘する。この2つのデータは、今後少なくとも20年間の中国経済の基本状況を決定づける。労働者層の負担が急増し、労働力が急速に減少し、そして新生児によってもたらされる経済効果はまったく期待できなくなる。

 例えば、1990年1月1日の上海の新生児数は2,784人だったが、その後年々減少し、2020年1月1日にはたった156人にとどまった。東北地方では、瀋陽、大連、盤錦の3都市のみが2010年の時より僅かに増加した。その他の都市は2010年の第6回国勢調査時より900万人以上少なくなった。

 中国の人口問題を長年研究してきたウィスコンシン大学マディソン校の易富賢教授は、著書『大国空巣』で、2020年の中国の実際の人口数は12億6000万人にとどまり、多くても12億8000万人は超えないだろうと予測した。そして、中国が今までにない高齢化危機に直面すると述べた。人口変動に関するデータは長期間隠ぺい改竄することができないのだ。

 また、Mr.Keyは2000年と2010年の国勢調査のデータが事実とは異なることも指摘している。当局が公表している人口データとの整合性を保つために、元のデータを大幅に改竄したため、様々な政策を誤った方向に導いたとも言及している。

 実際、中国共産党当局は政策の失敗を取り繕うため、出産を促すさまざまな政策を導入した。2016年1月1日からは正式に二人っ子政策が実施されたが、出生率は上昇するどころか減少しており、ベビーブームを誘発しなかった。今年、複数の専門家が三つ子政策の開放、あるいは出産政策を全面的に自由化すべきだと呼びかけた。12月21日、中国共産党社会科学院も2021年の「社会青書」を発表し、出産規制のさらなる開放を呼びかけた。

 しかし、ネットユーザー達は、「高い住宅価格、教育費に医療費。一人っ子でもこれらの問題によるストレスは山積みしており、もう一人の子供を産む勇気と経済能力を持てない」と指摘した。

 ソ連崩壊の原因の一つは、少子化による労働力のマイナス成長であり、手を広げすぎた内政や外交などを支えきれなくなったからだという分析もあった。中共当局は政権崩壊という結果を免れるべくあらゆる手を尽くしているが、はたして間に合うのだろうか。

(看中国記者・文儷/翻訳・心静)

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