2018年7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで会談中のトランプ米大統領とプーチン露大統領(Wikimedia Commons / The White House from Washington, DC / Public domain)

 米連邦捜査局(FBI)が新たに機密解除した文書によると、FBIがトランプ氏のいわゆる「ロシアゲート」を調査するために使用した証拠は存在せず、捏造や噂以外の何物でもないことが明らかになった。

 トランプ大統領の要求により、94ページに及ぶ文書が10月8日、FBIによって機密解除された。この文書はトランプ大統領の「ロシアゲート」調査のために使用されたものだ。FOXニュースはこの文書を入手し、確認を行った。

 事情に詳しい情報筋によると、今回機密解除された文書は、トランプ氏がロシアと「共謀」していたとされる事案を告発した「スティール文書」の裏どりとして使用されていたとのこと。

 この電子文書では、左の欄に元英国スパイのクリストファー・スティールが提示した情報、右の欄にその情報が実証されたかどうかや分析された情報を示している。

 例えば、スティールは、トランプ氏がモスクワのリッツカールトンの「プレジデンシャル・スイート(大統領専用ルーム)」に宿泊したと告発しているが、機密文書は右欄に「トランプ氏が宿泊したことがあるかどうかは確認できていない」、更に、「リッツカールトンのウェブサイトには現在のところ『プレジデンシャル・スイート』という部屋はない」と記載している。

 スティールが提出した複数の告発項目の中には、すべて裏付けや分析がなかった。告発はスティール氏の「重要な情報提供者」によってなされたとの分析もあるという。

 FOXニュースは今年、2016年の米選挙におけるロシアの干渉工作に関するスティールの報告の主な情報源は、ロシアの官僚ではなく、スティールが雇用した契約社員であり、ロシア人ではなかったと報じた。この人物は2017年1月と3月にFBIとの会談した際、「スティール文書」の情報は信頼できないと述べた。

 別の情報筋は、FBIは通常、スティールのような情報源を検証するための正式なプロセスを持っており、そのようなレビューを行うためには、独立したチームが必要になるとフォックスニュースに話した。しかし、スティールが提供した情報は、この厳密な審査を受けていない。

 スティールは「フュージョンGPS」社に代わってトランプ氏に関する書類を書き、編集した。「フュージョンGPS」は民主党全国委員会(DNC)とヒラリー・クリントンから資金提供を受け、ライバル候補者の研究に取り組んでいる。

 「ロシアゲート」の調査文書の機密解除により、より多くの衝撃的な内容が明らかになった。トランプ氏の支持者と同盟者は、これらの文書の意味が重大であり、少なくとも2016年のトランプ陣営に対するFBIの調査が根拠がなく、違法であることを証明したと考えている。

(翻訳・藍彧)