「香港民主の女神」としても知られている周庭氏(右)(イメージ:パブリック・ドメイン)

 「香港衆志」元副秘書長周庭氏が9月1日午後に香港大埔警察署に出頭し、数時間の事情聴取を経て午後7時頃に警察署を出た。周庭氏によると、「香港衆志」が去年「日本経済新聞」に広告を掲載したことが「国家安全維持法(国安法)」に違反したという。

 「香港衆志」は去年8月に「逃亡犯条例」反対抗議において、募金を通して「日本経済新聞」で広告を掲載し、国際社会に香港の民主運動を声援するよう呼びかけた。同じ広告は米国「ニューヨーク・タイムズ」、フランス「ル・モンド」誌、ドイツ「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」などのメディアにも掲載された。しかし、「香港衆志」は今年6月30日、「国家安全維持法」が実行される7月1日前にすでに解散した。

 周庭氏が9月1日に警察署に出頭したことは、日本朝日新聞、産経新聞や時事通信などのメディアに注目された。周庭氏はインタビューで、警察署で去年「日本経済新聞」に掲示した広告を見せられ、違法の証拠の一つだと言われたと明かした。

 フランス通信社によると、香港警察が8月10日に黎智英(ジミー・ライ)氏や周庭氏たちを逮捕したとき、3名の警察が「日本経済新聞」の香港事務所を訪れたという。

 香港警察は9月1日、「日本経済新聞」香港事務所に8月10日に警察官を派遣し、裁判所が発行した物品「提出命令」を届けたが、捜査を行わなかったことを明らかにした。

 警察の告発に対し、周庭氏は国安法が今年7月に執行されたが、同法は遡って適用されないこと、香港衆志が同法施行の1年前に広告を掲載していことを強調し、警察の捜査は違法であると主張した。

 また、香港警察が日本経済新聞の事務所に訪問したことに対し、周庭氏は「香港メディアのみならず、日本メディアや他の国のメディアも香港警察に圧力、または捜査される可能性があり、報道の自由を失いかねない」と懸念を示した。

(翻訳・北条)