抗議活動中のモンゴル族の学生たち(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国共産党内モンゴル自治区政府教育部はこのほど、9月1日の新学期から、すべての小中学校で、モンゴル語を中国語に置き換える、いわゆるバイリンガル教育モデルを採用すると発表した。この動きは、内モンゴルの地元住民の間で強い不満を引き起こし、大規模な抗議運動に発展した。

 内モンゴル自治区教育部門が推進した新しい教育モデルとは、小学校1年生からすべて全国統一の中国語の教材を使用し、2年生から歴史、政治などの授業が中国語での教授に切り替わる。今まではすべての授業がモンゴル語での教授、小学校3年生から中国語の授業がある。内モンゴル自治区では学校教育から入試まですべてモンゴル語を使用しており、中国当局がモンゴル語を中国語に置き換える動きは「モンゴル語及びモンゴル文化の消滅」が危惧されている。

 ニューヨークに本部を置く南モンゴル人権情報センターによると、今回の抗議運動は政府関係者の一部を含む社会各界の人々が空前の団結を遂げ、保護者や教師が学校をボイコットし、多くの教室が空っぽになったとボイス・オブ・アメリカ紙が8月30日に報じた。

 このうちエレンホト市のモンゴル人教師は全員ストライキに参加し、多くのモンゴル人親は子供を家庭で教育し、学校で中国語を学ばせないようにする計画を立てている。一般の牧畜民も内モンゴル各地の主要都市で同時デモを行い、政府による「文化の消滅」に抗議し、地元の学生数千人がモンゴルの伝統衣装を着てデモに参加した。

 南モンゴル人権情報センターは、抗議活動の規模が拡大するにつれ、中国当局も弾圧活動を開始し、現在、数百人のモンゴル人活動家が当局に拘束され、自宅に軟禁されているという。抗議活動をしていたジャルート旗のモンゴル人女性教師が警察に逮捕され、地元の牧畜民のリーダーは自宅から出ないように命じられた。

 8月23日、中国当局は、中国国内で唯一のモンゴル語ソーシャルメディア・プラットフォーム「Bainu」(モンゴル語で「お元気ですか」という意味)を閉鎖した。 モンゴル人は、当局が推進する中国語置き換え政策について議論することを禁じられている。

 海外に亡命中の内モンゴル人民党のテムチ・レトゥ委員長は「これは中国共産党が少数民族との公約に違反し、少数民族の文化の消滅を始めた」と述べた。

抗議活動中のモンゴル族の学生たち:

(看中国記者・苗薇/翻訳・藍彧)