潔い姿勢こそスポ―ツの見どころではないでしょうか? ライバル同士の正面からの一騎打ちは見る者の胸を熱くする。しかし、現代ではスポーツの中にも利益が絡みあい、この利益を前にして潔い行動ができる人はどれほどいるのでしょうか?

唐の太宗皇帝は自らの過ちを28回も民衆に公開し、中国の歴史上最も汚職官僚の少ない時代を築き上げた。

反則タックルをした選手は、過ちを犯したが潔く過ちを認めて公開し、謝罪した。彼の潔い姿を見て応援する気持ちが芽生えた方も少なくないのではないでしょうか?

中国の三国時代、老いてもますます元気な人の代名詞として知られた老将・黄忠が、猛将・関羽と一騎打ちをし、互角の戦いした話しがある。黄忠は若者と比較されると発奮して奮戦する頑固で勇敢な老武将として知られている。演義での名場面、落馬した黄忠を関羽が見逃して馬を変えさせた。その後、弓の名手・黄忠は受けた義理のため、わざと関羽の頭巾を狙い命の恩を返したシーンがある。

義を忘れ利益ばかり追及してしまいがちな現代社会の構造。その中で生活している我々が潔い行いをするのは簡単ではない。日大の監督も潔い若者と自らを比較し、黄忠のような老将の姿を見せてほしい。

(田 作驕)