中国と米国の貿易戦争について議論が行われている中、ヨーロッパでも中国の貿易取引が再び調査の対象になっている。欧州連合(EU)とイタリア当局は、共同で中国の犯罪組織による大規模な詐欺行為に関する調査を開始した。また、これに先立ち、2017年、イタリア政府は同国の税関で租税回避の証拠となる偽造書類を発見した。

欧州反詐欺捜査局(OLAF)は、この問題に関していかなる情報も漏らそうとしない。一方、同事件について、イタリア中央防犯専門調査官のファビオ・ボット氏は、「EUのVAT(付加価値税)は中国によって完全に回避され、国税当局と地域社会に大きな被害をもたらしている」と語った。

ある報告書は、イタリアのピレウス港で、租税回避行為が行われていると指摘している。またこうした行為によって、イタリア地方政府は、既に数百万ユーロの損害が発生していると述べている。同調査によれば、ある「中国の団体」が商品を輸入する際、付加価値税をごまかすために、商品の価値を虚偽報告しているとのことである。さらにこうした行為は、マフィアが関与する中国企業によって行われている。

中国の業者はヨーロッパ市場に偽造ブランド品を持ち込もうと試みていたため、以前から議論の的であった。ボット調査官は、中国の犯罪グループの手によってこうした偽ブランド商品の出所が不明になっていると示唆した。

問題の港は、中国の国有船会社、コスコ・シッピングによって運営されている。この港は、中国政府の一帯一路(One Belt One Road)計画の一部でもあり、中国によるヨーロッパへの入り口、すなわち「ゲートウェイ」とみなされている。また同社は、米国当局よりオリエント・インターナショナル・インターナショナル・ラインズ(OOIL)の買収案件について指摘を受けている。

ある報告書はこう指摘する。「米国外投資委員会(CFIUS)は、今のところこの案件を承認していない。なぜなら、OOILが米国で保有する資産にはロングビーチ・コンテナターミナル(LBCT)が含まれているからだ。同買収が実現すれば、コスコはカリフォルニアで3つ目の港を手に入れることになる」

これに対し、コスコはこう反論した。「弊社はグローバル・オペレーションを行っており、業務を行う国および国際法に従い、合法的に操業している」

また、ピレウス港湾局(PPA)は、この問題についていかなる情報も有していないと述べたうえで、「我々には違法行為を確認する責任はない」と説明した。PPAに関して、ギリシャとイタリアの捜査官は、PPAが過ちを犯したという明らかな証拠はないと述べた。

いずれにせよ、中国の犯罪組織が同港を利用し、商品の密輸やその普及を企図していることに対する懸念は、同地域の他の港が関税の取締りを強化している点からも窺える。EU全体に損害をもたらす「中国の犯罪者」による租税回避の抜け穴を、税関検査の強化によって埋める目的があるとみられている。

これは中国の税金回避の実態に関する氷山の一角に過ぎない。中国は最近、鉄鋼に対する米国の関税を回避するため、ベトナムを経由地として利用していると非難された。ベトナムに到着した中国の鉄鋼は、単に再梱包された後に米国に輸出され、米国に関税を支払っていないことが判明している。

(翻訳・今野秀樹)