尾山火山が位置する地殻の上層と中層にあるマグマ溜りの3D図(イメージ:中国科学院の公式ウェブサイトのスナップショット)

 最新の研究で50万年も眠っていた中国北東部の黒竜江省の五大連池火山群のある火山に復活の兆しが確認された。

 英紙デイリー・メール6月18日の報道によると、黒竜江省の五大連池火山群にある「尾山火山」と呼ばれる火山は、50万年前に一度噴火したが、その後、再び噴火や関連する地質活動がないと判定された。しかし、中国の研究者が国際地質学ジャーナル『ジオロジー(Geology)』に6月1日に発表した研究では、「尾山火山」の地表下に2つの巨大なマグマ溜りがあり、復活の兆しがあるとした。

 同紙によると、最新の研究では尾山火山は長白山火山とある程度関連していることがわかった。長白山火山は西暦946年に噴火し、何千年もの間世界で最も強力な火山噴火となったため、これまでに地質学者は北東部地域にある長白山火山を集中的に研究していた。

 研究者たちは、尾山火山の周囲に密布している観測ステーションを利用して、20キロの深さでの三次元の電気抵抗率構造を初めて取得し、火山円錐の下約3から4キロ地点での抵抗率が非常に低いことを発見した。さらに観測したところ、尾山火山が位置する地殻の上層と中層にそれぞれマグマ溜りがあり、両者は直通しており、地殻中層のマグマが地殻の上層に継続的にマグマを輸送していることがわかった。

 中国科学院の公式ウェブサイトによると、中国北東部は、有名な長白山火山や五大連池火山群など、中国で新生代の火山が最も多い地域である。そのうち、五大連池火山群には14の火山があり、最近の火山噴火は1719年から1721年の間に発生し、それぞれ旧黒山と焼け山を形成している。

 現時点では、尾山火山の2つのマグマ溜りの溶解度は少なくとも15%で、活発状態にある。マグマが約40%まで溶けると、火山噴火の条件に達する。今後火山噴火の可能性を予測するために、当該地域の火山活動を継続的に観察する必要がある。

(看中国記者・黎小葵/翻訳・北条)