北京市新発地市場(Wikimedia Commons / N509FZ / CC BY-SA

 中共ウイルス(新型コロナウイルス)のクラスター(感染者集団)が発生したことをうけ、北京市は緊急事態に入った。北京の救急医によると、ウイルスは1、2週間後に大爆発する恐れがあり、絶対外出するなと命じられたそうだ。
 
市民恐慌 生活困難
 
 15日、数名の北京市民が『看中国』の電話インタビューで、現地の人々が大変な思いをしており、不安でびくびくしていると話した。北京市のある医者によると、今回の再発は極めて危険であり、上級から外出厳禁という指示が出された。ここ2週間「新発地市場」(クラスター発生地)に訪れたことがある人は少なくとも十数万人で、潜在的な密接接触者はもっと多くて、少なくとも数十万人もいる、接触者はすぐ身近にいるかもしれない。潜伏期間にあるため、2週間後には大爆発する恐れがあると示した。
 
 ある北京市海淀区の住民は「今の北京の状況はかなり恐ろしい。集団感染が発生した『新発地市場』は北京の野菜、肉、卵、家禽類、海鮮類の7割を占める供給地であり、北京市ほとんどのレストランが仕入れする食品卸売市場でもある。北京でもっとも人が密集する地域である。先週緊急状態が解除されたばかりで、皆会食に忙しく、中に一人でも潜在感染者がいたら、計り知れない人が潜在感染されかねない」と話した。
 
 住民の伍さんは北京市民の現状について、苦しい状況にあると話した。「ウイルスが確認されたのは北京市の野菜メイン供給地であることから、当局の供給は十分にあるので、爆買いしないようにと呼びかけても、値上がりが依然として止まらない。武漢肺炎がだいぶ落ち着いたとみんなが思っていたけれど、今回突然数十もの症例が確認され、北京が第二の武漢にならないか、本当にわからない、これが今一番の心配だ。それに、前回からだいぶ時間が経ったのに、急に第二波が来て、生活はどうなるのか。経済がすでに後退しているし、北京の賃金も下がっているし、給付金を出してもらえず、貯金でしのぐしかない、みんな我慢している」と不安が隠せなかった。
 
感染源がサーモン説 欧州に責任転嫁
 
 武漢大学医学部ウイルス研究所の楊占秋教授が15日に受けたインタビューでは、「北京新発地市場で確認されたウイルスの感染性は武漢華南市場を上回る」と指摘した。北京日報によると、中共ウイルスが新発地市場のサーモンを切ったまな板から確認されたことから、北京当局はサーモンの輸出地である欧州に原因があると主張した。
 
 しかし、当局の主張に反論する声が上がっている。あるサーモンに濡れ衣を着せる風刺画が中国のソーシャルメディアで急速に広まっていた。絵にはサーモンがナイフを持って、「私が肺炎だと?肺はどこだ?」と書き添えられている。
 
 騰訊(テンセント)の事実確認プラットフォームの報道では,魚類は肺ではなく、えらで呼吸していることから、サーモンが中共ウイルスに感染して人に伝染する可能性はゼロに近いと分析した。サーモンを切ったまな板からウイルスが確認されたとしても、サーモンが伝染源である証拠にはならない。

(翻訳・北条)